【編集長の視点】燦キャピタルは反落も通期利益の下方修正を織り込み4カ月ぶり安値から極低位株買いが再燃方向
- 2017/3/8 08:55
- 株式評論家の視点
燦キャピタルマネージメント<2134>(JQS)は、前日7日に1円安の77円と反落して引けたが、昨年11月9日以来4カ月ぶりの安値水準で下げ渋る動きをみせた。同社株は、今年2月14日の今3月期2016年4月~12月期(第3四半期、3Q)決算の開示に合わせて、3月通期利益を下方修正、黒字転換予想が、連続赤字となったが、売り上げは上方修正となっただけに早期に織り込んだとして極低位株買いが下値に続き底上げを窺った。国内外で展開しているクリーンエネルギー事業や宿坊を中心とするインバウンド(外国人観光客)関連事業などの展開で、業績が回復に転じるとの期待も後押しをしている。
■宿坊関連事業は新スキームに取り組みエネルギー関連事業も孫会社を設立
3月通期業績は、期初予想より売り上げを1100万円上方修正し2億8300万円(前期比10.4%減)と連続減収率を縮めた。昨年6月に売却を計画していた子会社の鳥取カントリー倶楽部の株式譲渡の売却交渉がいったん白紙となり同子会社の売り上げが継続計上され、同11月に連結子会社化した東南アジア、日本でバイオマス原料の製造・販売やバイオマス発電事業を展開しているSUN GREEN ENERGY(SGPE社)の売り上げが、上乗せとなることが要因となった。
一方、利益については、営業利益を2億7000万円、経常利益を2億8100万円、純利益を4億900万円それぞれ引き下げ、営業利益は2億3900万円の赤字(前期は9400万円の赤字)、経常利益は2億6600万円の赤字(同1億5700万円の赤字)、純利益は2億7700万円の赤字(同1億9300万円の赤字)と連続赤字を見込んだ。今年2月10日に発表した宿坊をインバウンド向け宿泊施設として活用する「和空下寺町プロジェクト」が、出資パートナーの失権により終了しこのアレンジメント報酬とキャピタルゲインが見込めず、SGPE社関連の人件費、ファイナンス費用の増加、さらに鳥取カントリー株式売却遅れによる特別利益約1億2000万円が見込めなくなったことなどが響いた。
ただこの下方修正は、宿坊関連事業については、古民家を改築してインバウンド宿泊施設に利用する新しいスキームの京都府、和歌山県の案件を関係企業と協議中で、SGPE社も、エネルギー事業を国内で展開する孫会社の日本法人SGPEジャパン(東京都港区)を今年3月3日に設立しており、この展開によっては来2018年3月期の業績期待も高まってくる。
■昨年11月安値以来のダブルボトム水準から売買高を拡大させて底上げに弾み
株価は、昨年8月の宿坊創生プロジェクトのアレンジメント・サービス業務受託でインバウンド関連人気を高めて昨年来高値165円まで急伸して第3者割り当てのファイナンスが響いて75円安値まで急落し、昨年11月のSGPE社完全子会社化で84円安値から115円高値まで急伸し、今回の業績修正でほぼ往って来いの安値をつけた。70円台の安値は、昨年11月安値に並ぶダブルボトム形成を示唆する水準であり、業績修正織り込みとして売買高も漸増しており、底上げ期待を高め昨年12月の戻り高値115円奪回から弾みをつけ昨年来高値165円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)