【新規上場(IPO)銘柄】ロコンドは「LOCONDO.jp」の安定成長を見込む、下押す場面は買い妙味膨らむ

株式市場 IPO 鐘

 ロコンド<3558>(東マ)は、3月7日に東京証券取引所マザーズ市場に上場した。同社は「業界に革新を、お客さまに自由を」をミッションとして掲げ、顧客向けのEC事業 (B2C) 、および、ブランドさま向けのプラットフォーム事業 (B2B) の2つの事業を運営している。通販サイト、「LOCONDO.jp」においては、「ネットでは靴は買えない」という障害を無くすため、「自由に試着できる通販サイト」がショップのコンセプトになっている。

 徹底的なリーン・オペレーションを構築し、その企業努力の積み重ねによって、価格は他社以下、品揃えは日本最大級の1,772ブランド、サービスは日本最高水準の即日出荷、送料無料、サイズ交換無料、返品送料無料を実現しているほか、 ECサイトで培った資産を活用し、「ECとリアル店舗の総合オムニプラットフォーム」の構築に向けて、自社公式通販サイトの運営 (BOEM)、オンライン倉庫における完全物流受託事業 (e-3PL)、欠品フォロー、LOCOCHOCの運営、百貨店向けのショールーム型店舗運営、LOCOCHOC-Dの運営を提供している。

 前17年2月期第3四半期業績実績は、売上高が20億4300万円、営業利益が1億5800万円、経常利益が1億5800万円、純利益が2億8300万円に着地。

 前17年2月期業績予想は、売上高が28億2800万円(前の期比27.0%増)、営業損益が1億9300万円の黒字(同2億0800万円の赤字)、経常損益が1億9400万円の黒字(同2億0700万円の赤字)、最終損益が3億2000万円の黒字(同2億0900万円の赤字)と黒字転換を見込んでいる。上場に伴い調達する資金は広告宣伝費や物流倉庫の移転費用などに充当するため、配当は見送る方針。

 株価は、上場初日の7日に公開価格1850円を41.9%上回る2625円で初値をつけた後、高値2800円と急伸と高人気となったが、上場2日目の8日は上値を試すことが出来ず、公募・売り出し株の利益確定売りと手仕舞い売りに押され2360円と売られている。ファッションEC市場の拡大を背景に「LOCONDO.jp」の会員数や取扱高は順調に増加。「LOCONDO.jp」は88%を受託型にすることでリスク回避しているだけでなく、テイストやカテゴリの異なる1,772ものブランドを取り扱っているため、トレンドの影響を受けにくく、安定的な成長が見込まれる。田中裕輔社長ら上位株主には上場から90日間は株式の売却を制限するロックアップがかかっているため、大きく売り崩される懸念は少ない。短期的にはここから公開価格1850円前後を目安に下押す場面があれば、リバウンド狙いで買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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