【新規上場(IPO)銘柄】船場は海外事業も伸長する見通し、割安感に加え利回り妙味あり

株式市場 IPO 鐘

 船場<6540>(東2)は昨年12月19日に東京証券取引所第二部市場に上場。同社グループは、商環境づくりの川上から川下までの全プロセス(調査、分析からマーケティングプラン、基本計画、設計、監理、施工、開業支援、管理・運営)を一貫してトータルにサポートする商環境創造事業を運営している。ソフトとハード両輪の一体化により、顧客ニーズを100%満たすのがSEMBAのビジネススタイルで、調査・分析に始まって、コンセプトメイク、空間デザインの提案、施工、そしてオープン後の運営までの一貫したフォローアップを行い、信頼を得ており、事業領域は商業施設にとどまらず、オフィス空間、アミューズメント施設、さらには大規模なリゾート開発、都市開発へと拡がっている。

 同社グループでは企業理念に「”サクセスパートナー”私たちは商環境の創造を通じて社会の繁栄に貢献します」を掲げ、中期経営計画において「SEMBA BRANDの確立を目指し、個とグループの力を結集させ、グローバルに価値を共創する成長企業となる」べく、収益の拡大と生産性の向上に尽力してきたが、東京証券取引所上場による社会的信用の強化や認知拡大を活かし、 積極的な採用強化と営業活動拡大を図り、更なる収益の拡大と生産性の向上に尽力している。

 前2016年12月期業績実績は、売上高が276億1500万円(前の期比10.1%減)、営業利益が17億1500万円(同15.9%減)、経常利益が17億2100万円(同16.5%減)、純利益が10億9700万円(同30.2%減)に着地で、収益性向上への継続した取り組みにより当初計画以上に粗利率が改善、1月30日に上方修正した予想に比べて若干上振れした。

 今17年12月期業績予想は、売上高が300億円(前期比8.6%増)、営業利益が17億4000万円(同1.4%増)、経常利益が17億4000万円(同1.1%増)、純利益が11億3000万円(同3.0%増)を見込む。年間配当予想は期末一括35円(同9円増)と増配を予定している。

 株価は、昨年12月20日高値1280円から同12月27日安値1043円と短期調整を挟んで2月3日に上場来高値1294円と上昇。 その後、モミ合っている。今17年12月期は人員増に伴う事務所拡張やOA機器投資を計画しているほか、販促活動増加による経費増を想定していることから、小幅の増益予想だが、国内市場は安定的に成長し、SC店舗数も引き続き増加。旺盛な出店意欲に対応して海外事業も伸長する見通しで、中長期で成長が続くと期待される。今期予PER10倍台と割安感があるほか、配当利回り3.0%と利回り妙味もソコソコある。1月31日安値1120円どころが下値として意識された感はあり、逆張り指標のRSIやスローストキャスティックでは、買いサインが点灯しており、押し目買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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