【株式評論家の視点】イワキはバラスト水関連として見直される可能性大、18年3月期2ケタ増益観測
- 2017/3/17 06:44
- 株式評論家の視点
イワキ<6237>(東2)は、 昨年3月18日に東京証券取引所市場第二部に上場。ケミカルポンプをはじめとする各種流体制御製品の開発・生産・販売を行っている。同社は、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアと世界中に拠点を持ちグローバルに展開している。日本国内も全国を網羅する業界ナンバーワンの販売体制でシェアを拡大、導入後の顧客をフォローし続けている。
同社の最大の特徴は、「ポンプのデパート」と呼ばれるほどの、製品バリエーションの豊富さにある。創業から50数年。顧客の多種多様な要望に応えるために開発した製品数は、実に1000種類。高品質を追求し、しかも顧客のコストパフォーマンスに貢献する製品を、世界のトップメーカとして提案している。
2017年3月期第3四半期業績実績は、売上高が187億2000万円(前年同期比1.5%増)、営業利益が11億7300万円(同5.4%減)、経常利益が15億4000万円(同6.0%減)、純利益が12億0700万円(同2.2%減)に着地。同社グループ全体では医療機器市場が好調に推移し、半導体・液晶市場、水処理市場も堅調に推移したが、表面処理装置市場、化学市場は軟調に推移し、新エネルギー市場が不調で小幅減益となった。
17年3月期業績予想は、売上高が248億7100万円(前期比0.2%増)、営業利益が15億9400万円(同4.0%増)、経常利益が20億6700万円(同3.8%増)、純利益が15億2700万円(同横ばい)を見込む。年間配当は62円(第2四半期末30円、期末32円)を予定している。
株価は、昨年6月24日につけた上場来の安値1500円、同11月9日安値1740円と売り直されて底値確認から2月9日に上場来の高値2960円と上昇。その後、モミ合っている。アジア市場で回復が見られる半導体・液晶市場及び表面処理装置市場において需要が伸びているほか、水処理・医療機器・新エネルギーの各市場規模の拡大が見込まれる中国で全額出資の現地法人を広東省深セン市に昨年12月に設立。中国国内において同社関連製品の調達・販売と貿易業務を開始と、海外での展開は注目される。また、大型船バラスト水の水処理向けの定量ポンプを手掛けていることが期待材料として見直される可能性は十分ある。17年3月期予想PER12倍台と割安感があり、18年3月期2ケタ増益が観測されており、26週移動平均線前後まで下押す場面があれば、中長期的な視点で買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)