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【新規上場(IPO)銘柄】うるるはCGS事業、BPO事業、クラウドソーシング事業を展開
- 2017/3/21 09:06
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うるる<3979>(東マ)は、 3月16日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社グループは、同社グループがビジョンとして掲げる「人のチカラで 世界を便利に」を実現すべく、同社が運営するクラウドソーシング「shufti(シュフティ)」に登録するクラウドワーカーの労働力を活用して生み出されるCGS事業(Crowd Generated Service)を主に展開している。このほか、BPO事業(Business Process Out-sourcing)、クラウドソーシング事業を展開している。
CGS事業では、同社が直接「シュフティ」のクラウドワーカーへ業務を発注し、その納品物を集約・加工することで従来のサービスにはない提供価値を持ったサービスをクライアントへ提供している。主力の入札情報速報サービス「NJSS」では、同社がクラウドワーカーへインターネット上に公示される官公庁等の入札・落札案件情報の収集を発注し、同社が当該情報を集約して入札・落札案件情報のデータベースを構築し、クライアントへ提供している。BPO事業では、「シュフティ」のクラウドワーカーや国内・国外協力会社といった同社グループが有する複数のリソースを活用して、クライアントの多様なアウトソーシング・ニーズに対して、その規模を問わず、ニーズに適合するリソースを適切に指示・管理することで、クライアントへソリューションを提供している。クラウドソーシング事業では、CGS事業の基盤となる「シュフティ」を、小規模・中規模の業務をアウトソーシングしたいクライアントと在宅等で時間や場所の制約なく仕事をしたいクラウドワーカーをマッチングするクラウドソーシング・プラットフォームとして提供している。
2017年3月期第3四半期業績実績は、売上高が12億8100万円、営業利益が2億1700万円、経常利益が2億1000万円、純利益が1億6400万円に着地。主力の入札情報速報サービス「NJSS」は、第3四半期末時点の会員数が2,360社(前期末比232社増加)と順調に増加。3月末会員数は2,600社と前期末比20%程度の増加を見込んでいる。
17年3月期業績予想は、売上高が16億6100万円(前期比17.8%増)、営業損益が2億円の黒字(同2億8800万円の赤字)、経常損益が1億7900万円(同2億8900万円の赤字)、最終損益が1億3400万円の黒字(同3億1400万円の赤字)と黒字転換を見込む。上場によって得る資金は広告宣伝費や人件費、システム開発に係る業務委託費などに充当し、成長投資を優先するため、無配を予定している。
株価は、3月16日に公募・売り出し価格(公開価格、3000円)を11%上回る3330円で初値を付けた後、同17日高値3900円と買われている。クラウドソーシングのプラットフォーム「シュフティ」を自社保有しているため、外部環境に依存せず、クラウドワーカーを安定的に活用できる同社の強みを評価した買いが入っている。「シュフティ」は33万人の登録者の多くが仕事を探す主婦層で、拘束時間の制約がある一般のアルバイトやパートと異なり、空き時間を利用できることが登録者増加につながっており、今後も高い成長が見込まれる。需給面では、星知也社長ら上位株主には上場から90日間は株式の売却を制限するロックアップがかかるが、第2位株主のニッセイ・キャピタル5号投資事業有限責任組合は上場後の株価が公開価格の1.5倍以上になった場合にロックアップが解除される条項がある。株価は公開価格を3割上回った水準にあり、大きく売られる懸念は少ないものの、今週は7銘柄が東証1部や2部、マザーズへの上場を予定しており、目先の乗り換え売りに乱高下することもありそうだ。(株式評論家・信濃川)