【編集長の視点】U&Cは反落も純益5倍増益の初決算発表を先取りして直近IPO株買いが再燃方向
- 2017/3/21 09:13
- 編集長の視点
ユナイテッド&コレクティブ<U&C、3557>(東マ)は、3連休前の17日に320円安の5140円と反落して引けた。連休明けの今週21日から3月末にかけ2週間で14社の新規株式公開(IPO)が予定されるラッシュを前に、今年2月23日にIPOされたばかりの同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行した。ただ同社株は、目下集計中の初決算となる2017年2月期業績を4月中旬に発表予定で、同初決算の純利益が、前の期に対して約5倍の大幅増益と推定され、続く2018年2月期業績も続伸が観測されたことを見直して、下値から直近IPO株買いが再燃する展開が有力視されている。また2020年に店舗数を200店に約4倍増させる積極店舗政策を目指しており、これに沿ってIPO後の今年3月に豊洲IHI店を新規オープンさせたことも、支援材料視されそうだ。
■居抜き物件を中心に10店舗を新規出店し店内料理で高付加価値化も
目下集計中の2017年2月期業績は、IPO時に売り上げ55億100万円(前の期比30.1%増)、営業利益2億4500万円(同2.29倍)、経常利益2億1600万円(同2.63倍)、純利益2億1300万円(同4.84倍)と予想された。同社は、鶏料理をメーンとした居酒屋「てけてけ」とバンバーガーカフェ「ザ・サードバーガー」を展開する外食産業で、今期は「てけてけ」を9店舗新規出店(退店1店舗)し、「ザ・サードバーガー」も1店舗新規出店し、期末店舗数が54店舗に拡大した。この店舗は、居抜き物件による新規出店を中心としていることから、投下資本が通常の3分の2の費用に抑えられ短期に黒字化することが可能で、さらにセントラルキッチン方式ではなく各店舗での店内料理を基本として付加価値を高めるとともに原価率も低下させたことなどが寄与しており、純利益は、「てけてけ」が、入居するビルの建て替えに伴う立ち退き補償金1億2800万円を特別利益に計上することで増益幅を拡大させる。
続く2018年2月期業績の動向については、今年4月中旬の初決算発表を待たなくてはならないが、同社は、2020年までに店舗数を現在の3.7倍とする200店体制を目指しており、現に今期に入った今年3月に豊洲IHI店を新規出店しており、居抜き物件を中心とする同社の独自ビジネスモデルから業績の続伸期待が高い。東洋経済会社四季報最新号では、今2018年2月期の新規出店を約20店舗、売り上げを68億円、営業利益を3億5000万円、経常利益を3億3000万円、純利益を2億円と観測している。
■3日連続ストップ高時の窓埋めを完了し時価総額68億円と小型株特性を発揮して再発進
株価は、1620円を公開価格にIPOされ、IPO初日は買い気配値を切り上げたまま推移し、2日目に4500円で初値をつけ、当日を含めて3日連続でストップ高して上場来高値7200円まで買い進まれ、公開価格比4.4倍化する高人気となった。最高値後のセカンダリーでは、今年3月以降のIPO株ラッシュも響いて利益確定売りが先行し、5100円台で下値を叩き3日連続のストップ高で開けた窓を埋めた。IPOラッシュ一巡後に、時価総額が約68億円にしか過ぎない小型株特性を発揮してIPO時の急騰再現期待を高め底上げに再発進が有力視される。(本紙編集長・浅妻昭治)