【どう見るこの相場】実質新年度相場入りで需給改善期待だが、基本的には様子見ムード

どう見るこの相場

 今週3月27日~31日の株式市場は、値ごろ感からの買いや、実質新年度相場入りに伴う週後半の需給改善が期待されるが、政治リスクもあって基本的には様子見ムード継続が想定される。

 前週3月21日~24日の日本株は、日経平均株価が一時1万9000円台を割り込む場面があり、様子見ムードの強い展開だった。トランプ米政権の政策遂行に対する警戒感で米国株が下落し、為替が1ドル=110円台までドル安・円高方向に傾いたため、全体としてリスクオフの流れだった。

 今週3月27日~31日は、日経平均株価が1万9000円~1万9600円のレンジ下限近辺にあるため、値ごろ感からの買いが期待される。また週前半に3月期末の配当・株主優待制度の権利取りを通過し、週後半には実質新年度相場入りに伴う新たな資金の流入など需給改善が期待される。さらに期末のドレッシング買いや日銀のETF買いも期待される。

 ただし一方では日米欧ともに政治リスクが警戒される。米国では当面の最重要法案と位置づけられる医療保険制度改革のオバマケア代替法案が撤回に追い込まれ、大型減税やインフラ投資などの主要政策にも影響を与えるのではないかと、トランプ米政権の政策遂行に対する警戒感が高まっている。

 また日本では、23日に衆参両院で行われた証人喚問で森友学園問題に対する疑念が払拭されたとは言えず、引き続き警戒感が燻ぶる状況だ。基本的には様子見ムード継続が想定される。

 欧州では、3月29日に英国のメイ首相がEU離脱手続開始を正式通告する予定とされている。さらにフランス大統領選が接近して警戒感を強める可能性もありそうだ。

 リスクオフの流れで為替がドル安・円高方向に傾き、主力株見送りが想定される中で、IPO人気も背景として東証2部、JASDAQ、マザーズといった新興市場を中心とする中小型株に対する個別物色が期待されるが、強基調が続いた中小型株についてもやや買い疲れ感が見られる。一旦は調整局面の警戒が必要だろう。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る