【新規上場(IPO)銘柄】ビーグリーは「まんが王国」を配信、認知度の向上で会員数は増加へ

株式市場 IPO 鐘

 ビーグリー<3981>(東マ)は、 3月17日に東京証券取引所マザーズに上場した。主力の日本国内向けコミック配信サービス「まんが王国」は、新作から名作まで充実したラインナップで日本最大級、毎日読める手頃な価格設定とポイントプログラム、さらにプログレッシブダウンロード方式の採用で“読みたいときにすぐ読める”を実現している。2006年のサービス開始以来、ユーザーに支えられ、コミック単行本換算で累計5億冊ダウンロードを超えるまでに拡大を続けている。

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 新規・周辺ビジネスでは、身の回りの話題を「すこしおしゃれ」、「すこししあわせ」、「すこし発見」をコンセプトにイラストやマンガで発信していく分散型メディア「ETOPICA」、漫画に特化した作家とファンの想いを叶えるクラウドファンディングサービス「FUNDIY」を展開している。また、同社のマーケティングノウハウを駆使したオリジナルコンテンツの作成を計画。オリジナルコンテンツの提供により、新規ユーザー獲得及び収益性向上とともに、他社サイトへの外販を図っていくほか、従来のユーザーからの利用料収入だけでなく、魅力的なコンテンツプラットフ ォームを展開することによる広告料収入の拡大など、新規・周辺ビジネスの展開による収益構造の多様化を目指している。

 2017年12月期第2四半期業績予想は、売上高が45億2400万円、営業利益が5億2100万円、経常利益が4億8700万円、純利益が2億9900万円を見込む。

 17年12月期業績予想は、売上高が91億6500万円(前期比9.9%増)、営業利益が11億2400万円(同42.8%増)、経常利益10億8200万円(同44.7%増)、純利益が6億7200万円(同65.1%増)を見込む。上場で調達する資金は主力サービスの認知度を向上させるため、インターネット広告費に充当する。年間配当は無配を予定している。

 株価は、3月17日に公開価格を1円上回る1881円で初値を付けた後、同22日に高値2500円まで上昇。その後、モミ合っている。公開価格を上回る人気となったが、公募株を取得した向きの短期的な売りに押されている。昨年末時点の有料会員数は62万人超で、常時冒頭の50ページ以上が無料で読める作品を2000冊ほど用意してあり続きが読みたくなることから、有料会員の増加に結びついている。上場を機に認知度は向上し、さらに会員数の増加が予想されることから、業績が順調に推移していることが確認されれば、十分に上値を試す余地はある。ここからの押し目は買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

 

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