【新規上場(IPO)銘柄】ソレイジア・ファーマは本年が中長期的な視点で仕込み局面、短期的にも個人の売買活発

株式市場 IPO 鐘

 ソレイジア・ファーマ<4597>(東マ)は、3月24日に東京証券取引所マザーズに上場。同社グループは、悪性腫瘍治療を目的とする医薬品の開発及び販売を主たる事業領域としているほか、悪性腫瘍治療薬の投与や放射線治療によって生じる有害事象(副作用等)を軽減し、悪性腫瘍に対する治療及び患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上が期待できる医薬品及び医療機器の開発及び販売も事業領域としている。世界の医薬品企業やバイオテクノロジー企業から優れた製品候補をライセンス導入し、国際共同治験を含む積極的な開発戦略によって迅速な承認取得を目指し、国内外の少数精鋭のコアチームメンバーを中心とし、高品質のアウトソーシングを最大限活用したハイブリッドチームを構築。日本及びアジアでの臨床開発を推進している。

 3月24日に公開価格185円を26.5%上回る234円で初値を付け、同日高値285円と買われた後、同29日安値219円まで切り下げたが、4月3日にはストップ高、同4日高値395円と上昇。その後、モミ合っているが、目先は5日移動平均線前後が下値として意識された感はある。同社グループが、現在開発中の協和発酵キリンが子会社化した英プロストラカン社が開発した、がん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐の予防の貼り薬やスウェーデンのカミュラス社から導入した、がん化学療法、放射線療法誘発性口内炎の疼痛緩和の口内炎保護スプレー、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫の抗がん剤ダリナパルシンに対する期待に加え、売買単位が100株からの投資が可能なため、個人投資家による活発な売買になっている。

 医薬品開発は、多額の投資を長期間にわたり実施する必要があり、現在、同社グループは先行投資に比重を置いた事業運営を図っていることから、今2017年12月期第2四半期業績予想は、売上高0万円、営業損益10億3500万円の赤字、経常損益10億3900万円の赤字、最終損益が10億3900万円の赤字を見込む。

 今17年12月期業績予想は、売上高4億2300万円(前期比15.6%減)、営業損益17億8700万円の赤字(同4億6200万円の赤字)、経常損益17億9300万円の赤字(同4億9400万円の赤字)、最終損益が17億9800万円の赤字(同4億7400万円の赤字)を見込む。配当予想は無配を予定している。
 株価は、バイオ関連でディフェンシブ性が強く、100株単位で売買しやすいことから、折に触れ物色の矛先が向かう可能性は高い。承認申請中のがん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐の予防の貼り薬とがん化学療法は2018年以降上市を予定、承認申請中の放射線療法誘発性口内炎の疼痛緩和の口内炎保護スプレーも2018年以降上市予定を予定、第Ⅱ相臨床試験中(申請前最終試験) の再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫の抗がん剤ダリナパルシンの適応拡大は2018年以降開発開始予定しており、本年は中長期的な視点で仕込み局面との見方が大勢となりそうだ。(株式評論家・信濃川)

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