【新規上場(IPO)銘柄】ジャパンエレベーターサービスHDは今18年3月期2ケタ増収増益観測、押し目買い妙味が膨らむ

株式市場 IPO 鐘

 ジャパンエレベーターサービスホールディングス<6544>(東マ)は、 3月17日に東京証券取引所マザーズに上場。同社はエレベーターのメンテナンス業務を行っているが、独立系保守会社として、主要メーカー全社に対応できる高度な技術力と純正部品の調達力を強みに、質の高いサービスを安価で提供している。2016年12月末日現在、同社グループで契約しているエレベーター数は約38,000台。特に過去5年間は、毎年約3,000台のペースで増加し、計15,000台の新規保守契約を獲得している。

 3月17日に公開価格550円を61.8%上回る890円で初値を付けた後、同23日高値1310円と上昇、同28日安値980円と短期調整した後、1100円を挟んでモミ合っている。前2017年3月期業績は減益見込みだが、過去5年間で、計15,000台の新規保守契約を獲得した実績を背景に、新規の事業展開エリアである名古屋・東海地区を始め既存の事業展開エリアにおける保守・保全業務の契約先を増加に対する期待感が高まり人気化した。

 前17年3月期第3四半期業績実績は、売上高が97億8000万円、営業利益が3億0400万円、経常利益が2億9300万円、純利益が1億4900万円に着地。

 前17年3月期業績予想は、売上高が133億4300万円(前期比12.2%増)、営業利益が5億0200万円(同31.1%減)、経常利益4億3000万円(同38.4%減)、純利益が2億5500万円(同36.6%減)を見込む。上場から1年以内に東証1部への市場変更を目指し、配当はその後に検討する予定。

 国内で稼働する約98万台のエレベーター・エスカレーターのうち、約83%はそれを設置したメーカー系の保守会社がメンテナンスを行っており、残り約17%を請け負っているのが、同社を含む「独立系」とよばれる保守専門会社で、将来的に30%まで拡大すると金融系調査機関は予想している。同社は、主要メーカー全社に対応できる高度な技術力と純正部品の調達力を強みに、質の高いサービスを安価で提供し、先進諸国のエレベーターメンテナンス市場におけるグローバルスタンダードなビジネスモデルを確立しており、今後の展開は注目される。今18年3月期業績予想については、名古屋・東海地区や関西地方の開拓で2ケタの増収増益、配当含みと観測されている。直近では下値を切り上げており、3月本決算発表後の上放れを期待し、押し目買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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