【編集長の視点】ダイイチは反落も連続最高業績・増配に月次売上高の続伸がオンして押し目買い妙味
- 2017/4/12 08:57
- 編集長の視点
ダイイチ<7643>(JQS)は、前日11日に17円安の1224円と3営業日ぶりに反落して引けた。今年4月3日に年初来高値1273円まで買われており、全般相場が、円高・ドル安や地政学リスクへの懸念で調整色を強めるなか目先の利益を確定する売り物に押された。ただ同社は、今2017年9月期業績について連続過去最高更新と連続増配を予想、とくに純利益は前期比2.1倍化すると予想したことを手掛かりに、下値には超割安修正を見込む押し目買いも交錯した。今年4月3日に発表した今年3月の月次売上高が続伸し、今期10月~3月期(第2四半期、2Q)累計の伸び率が、期初予想の2Q累計増収率を上回ったことも、業績の上ぶれ期待を高めフォローの材料視されている。
■9億5700万円の特別利益が発生し今期純利益は2.1倍増益と予想
同社の今9月期業績は、昨年10月1日に連結子会社のオーケーを吸収合併したことで連結決算から単独(非連結)決算に移行した。この業績予想は、売り上げ385億8500万円(前期比0.7%増)、営業利益13億6400万円(同2.5%増)、経常利益13億5100万円(同1.3%増)、純利益18億3500万円(同2.13倍)と続伸し、前期の過去最高を連続更新する。企業間競争が激化し消費者の節約志向と低価格選好が続く厳しい経営環境下、既存店の競争力強化策として札幌ブロックの「八軒店」をリニューアルし、イトーヨーカ堂との共同販促と商品統一を進め、引き続きロスの削減と運用在庫の管理強化に取り組んでいることなどが要因となる。純利益は、オーケーの吸収合併により特別利益(抱合せ株式消滅差益)9億5700万円が発生し高変化する。
なお、今年3月の月次売上高は、全社・既存店とも前年同月比2.1%増で着地し、2Q累計の売上高は、同様に前年同期比2.3%増と続伸しており、今期2Q累計売上高予想の0.3%増を上回っており、業績上ぶれ期待につながっている。また、今期配当は、年間20円(前期実績18円)と連続の増配を予定している。
■PERは3.8倍と全銘柄ランキングの第19位に位置しPBRも0.7倍と出遅れ
株価は、前期配当の増配で1130円高値をつけ、配当権利落ちで1101円へ下ぶれたが、今期業績の連続過去最高更新・連続増配、さらに今期第1四半期業績の高利益進捗率も加わって連日の昨年来高値1273円まで買い進まれ、高値もみ合いを続けている。PERは、3.8倍と全上場銘柄ランキングの第19位に位置して超割安で、PBRも0.7倍と出遅れており、ディフェンシブ株人気を高め年初来高値抜けから2015年7月高値1455円を目指し、一段の上値評価が強まろう。(本紙編集長・浅妻昭治)