【株式評論家の視点】富士ダイスは12日に第一部に市場変更、今期も連続最高益更新と観測
- 2017/4/14 06:30
- 株式評論家の視点
富士ダイス<6167>(東1)は、4月12日に東京証券取引所市場第二部から同市場第一部銘柄に市場変更した。同社は創業以来、主に超硬合金を用いた耐摩耗工具・金型の製造販売を行っている。 製造工程においては、顧客の製品素材や用途に最適な工具・金型を設計した上で、粉末冶金技術を用いて、原料粉末の粉砕・混合・造粒から、焼結、機械加工、製品検査までの一貫生産体制により、顧客の要望に応じた製品を提供している。
同社は、「革新」の年度方針のもと、高品質・低コスト・短納期・充実したサービスの向上に注力、持続的な成長を目指し、業務の効率化による収益率の向上、海外売上の拡大・国内市場の深耕、成長分野への注力に取り組み、昨年12月から建替えを進めていた熊本製造所製造棟は、同11月から稼動を開始し、生産効率の更なる向上を目指している。
前2017年3月期第3四半期業績実績は、売上高が121億7100万円(前年同期比2.3%増)、営業利益が7億6300万円(同27.7%増)、経常利益が7億4300万円(同31.5%増)、純利益が5億1900万円(同41.9%増)に着地。
前17年3月期業績予想は、売上高が165億7100万円(前の期比3.2%増)、営業利益が10億8600万円(同12.8%増)、経常利益が11億4500万円(同19.4%増)、純利益が8億2700万円(同12.9%増)を見込む。年間配当は期末一括21円を予定している。
株価は、3月6日につけた年初来高値845円から4月12日に年初来の安値662円と調整している。超硬製工具類では、海外向けの熱間圧延ロールや混錬工具が好調。超硬製金型類では、光学素子成形用金型が好調、製缶金型も好調なほか、その他の超硬製品では、粉末成形金型用の超硬合金チップや精密プレス金型用の超硬合金チップが引き続き好調。今18年3月期も連続最高益更新、増配と観測されており、5月11日に予定される本決算の発表に期待は持てる。TOPIX連動型投資信託への組み入れ期待が下支え、PBR0.8倍と割り負け、前期配当利回り3.0%と利回り妙味も増すことから、待ち伏せで買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)