【編集長の視点】シイエム・シイは続落も2ケタ増益転換業績を見直し超割安株買いの再燃が有力
- 2017/4/14 07:50
- 編集長の視点
シイエム・シイ<2185>(JQS)は、前日13日に100円安の3630円と4日続落して引けた。同社株は、今年4月3日に年初来高値4500円まで買い進まれ、全般相場が、北朝鮮、シリアなどの地政学リスクや円高・ドル安進行を嫌って調整色を濃くしているなか、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ下値には、今9月期業績が2ケタの増益転換と予想され、純利益が、過去最高にあと2700万円と肉薄することを見直して超割安修正期待の買い物が交錯した。テクニカル的にも、上昇トレンドが続いている25日移動平均線にサポートされて上値を追い、このところの4日続落で同移動線から4%超の下方かい離となっており、目先調整一巡感を強めている。
■立ち上がりの今期1Q業績は大きく増益転換し2Q累計業績対比で順調な利益進捗率
同社の今9月期業績は、売り上げ174億3300万円(前期比5.7%増)、営業利益15億200万円(同9.6%増)、経常利益15億3700万円(同15.7%増)、純利益9億7500万円(同26.4%増)と増収増益転換が予想され、純利益は、2015年9月期の過去最高(10億200万円)にあと2700万円と肉薄する。海外経済に不透明感が残るなか、国内景気は緩やかに回復しており、マーケティング事業で自動車関連分野の商品教育案件が増加し、金融分野でもトータルプリンティング需要が順調に推移し、人材派遣案件も上乗せとなることなども要因となる。
この今期の立ち上がりの2016年10月~12月期(第1四半期、1Q)決算は、今年2月10日に発表されたが、経常利益は前年同期比24.4%増益、純利益は同45.8%増益とそれぞれ同様に大きく増益転換して着地し、今期の第2四半期(2016年10月~2017年3月期、2Q)累計予想業績に対して49.9~49.1%の利益進捗率を示しており、9月通期業績の2ケタ増益転換の確度を高めた。
■PER8倍台、PBR0.7倍の修正で年初来高値を抜き最高値も視野
株価は、前期の85円(年間)の高配当取りの配当権利落ちで2533円安値へ調整したが、同安値から今期業績の増益転換予想を評価して上値追いとなり、全般相場の先行きが不透明化した新年度相場で逆行高、25日線に下値をサポートされて年初来高値4500円まで買い進まれた。同高値後に高値もみ合いを続けているが、投資採算的にPERは8倍台、PBRは0.7倍、配当利回りは2.34%とジャスダック市場の全銘柄平均を下回って超割安であり、年初来高値奪回から2015年7月の上場来高値4600円を目指し再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)