【新規上場(IPO)銘柄】旅工房は公開価格の4倍まで上昇、乱高下することも予想

株式市場 IPO 鐘

 旅工房<6548>(東マ)は、4月18日に東京証券取引所マザーズ市場に上場した。同社は、旅行代理店として、主に国内の個人・法人顧客向けに 海外旅行の手配サービスを提供している。同社グループは早くからインターネットの可能性に着目し、 旅行商品のオンライン販売で成長している。

 個人旅行事業では、国内の個人の顧客に対し、海外旅行を中心とするパッケージ旅行の企画・販売と、航空券、 ホテル宿泊等の旅行商品を販売している。 法人旅行事業では国内の企業、官公庁、学校法人等の顧客に対し、国内及び海外への出張等の業務渡航の手配や団体旅行の手配を行っている。インバウンド旅行事業では、海外の企業や団体等の顧客を対象に、 業務渡航や団体旅行の手配を行っている。

 前2017年3月期第3四半期業績実績は、売上高169億5200万円、営業利益3億2800万円、経常利益3億1000万円、純利益2億0100万円に着地。「ブータン旅会」、「ベトナム旅会」、「世界の旅グルメ会」といった顧客同士の交流会を積極的に開催して顧客との関係性構築に注力、接客応対品質の向上に向けた社内教育を引続き強化して、豊富な商品知識に裏打ちされた「トラベル・コンシェルジュ」の丁寧な対応によるハイブリッド戦略を強化していることや、L.C.C.(格安航空会社)を利用した国内旅行商品の取扱いを本格的に開始する等、品揃えの拡充が寄与。経費節減も奏功し、営業利益は年計画を上回り順調に推移している。

 前17年3月期業績予想は、売上高220億1300万円(前の期比1.5%増)、営業利益2億5300万円(同9.7%増)、経常利益2億4000万円(同6.0%増)、純利益1億5600万円(同15.7%増)を見込む。上場で調達する資金はオンライン予約システムの強化や、従業員教育などに充当する計画で、配当は無配を予定している。

 株価は、上場2日目の4月19日に公開価格1370円の2.74倍の3750円で初値を付け、同26日高値5540円と上昇。26日高値5580円と上値を伸ばす場面も見られている。商品知識の豊富な「トラベル・コンシェルジュ」の丁寧な対応による、旅行者ごとに要望に添ったオーダーメードの商品を作り顧客との強い関係を構築していることが強みとなっていることから高人気となっている。L.C.C.(格安航空会社)を利用した国内旅行商品の取扱いの本格開始による成長が続くと期待されるが、公開価格に対して4倍まで上昇したことから、連休前に換金売りに乱高下することも予想される。短期的には「突っ込み買い」の「吹き値売り」の売買が有効かもしれない。(株式評論家・信濃川)

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