【注目銘柄】株価は安値圏だが、今期18年3月期は大幅増収増益予想のエンバイオ・ホールディングスに注目

注目銘柄

■今期の自然エネルギー事業は、太陽光発電所の建設が進み売電収入が収益の拡大と安定化に寄与する見通し

 土壌汚染対策のエンバイオ・ホールディングス<6092>(東マ)の前期17年12月期連結業績は、売上高53億47百万円(前年同期比95.7%増)、営業利益2億57百万円(同13.9%減)、経常利益98百万円(同60.5%減)、純利益20百万円(同85.5%減)と大幅増収ながら大幅減益であった。

 主力の土壌汚染対策事業の売上は前年同期比で大幅に増加したが、営業経費が増加したことに加えて先行的に原位置熱脱着の技術導入費用がかかったこと、また新規顧客を開拓する過程で掘削除去や汚染土壌収集運搬の比率が高まり原価率が悪化したことによりセグメント利益は前年同期比で大幅に減少した。中国については、土壌汚染対策行動計画(土十条)の影響で営業情報は増えており、日系企業からの問い合わせも増えてきた。調査工事の受注件数は増加傾向にあるが、浄化工事の受注には至らず持分法投資損益として22百万円の損失を計上した。その結果、売上高42億11百万円(同99.3%増)、セグメント利益1億18百万円(同38.9%減)と大幅増収ながら大幅減益となった。

 ブラウンフィールド活用事業は、仕入れ営業の人員増強を行い、大手や地場の不動産仲介業、破産管財人、金融機関などからの情報収集や、土壌汚染対策事業とのグループ内連携、HP改定による反響、競売入札参加により仕入活動を強化し、14物件を仕入れることができた。販売に関しては、浄化等が完了した3物件の販売を行ったが、前年度に比べて収益性の高い物件ではなかった。この結果、売上高は7億83百万円(同47.2%増)、セグメント利益は48百万円(同49.2%減)と大幅増収ながら大幅減益。

 自然エネルギー事業については、新たに熊本県菊池市、北海道十勝郡、岩手県紫波郡、千葉県野田市(5か所)で新規稼働開始し、年度末現在、太陽光発電所は12か所、総発電容量12,797.68KWが稼働している。建設中・計画中合わせて9発電所(千葉県野田市8か所、石川県羽咋郡)合計総発電容量14,688.72KWが今後随時稼働する予定。建設中の千葉県野田市8発電所は19年3月期中に完成を予定し、また、計画中の石川県羽咋郡の発電所 は、19年3月期の着工、20年3月期の完成を予定している。この結果、売上高は3億53百万円(同304.2%増)を計上し、セグメント利益は83百万円(同368.5%増)と大幅増収ながら、大幅減益となった。

 以上のように17年3月期はいずれの事業も大幅増収大幅減益という結果に終わっている。

 今期18年3月期業績に関しては、土壌汚染対策事業を中核にブラウンフィールド活用事業をさらに拡大させるために新規原位置浄化技術の導入による提案力の向上、YAMAテックの連結子会社化による営業体制と生産能力の増強を進めてきた。今後は、営業力の強化と技術力の向上に努め、他社との一層の差別化を図るとともにサービスと商品の多様化により事業の拡大を目指す。また、前期より報告セグメントとして独立させた自然エネルギー事業は、太陽光発電所の建設が進み売電収入が収益の拡大と安定化に寄与する見通し。中国については、合弁会社におけるこれまでの経験を踏まえた収益モデルを再構築するとともに、中国に工場を保有する日系企業向けの営業活動を本格化することにより事業拡大に努めるとしている。

 その結果、今期18年3月期連結業績予想は、売上高75億48百万円(前期比41.2%増)、営業利益6億72百万円(同161.8%増)、経常利益5億55百万円(同465.0%増)、純利益3億79百万円(前期20百万円)と大幅増収増益を見込む。そのため、一株当たり純利益は、前期の3円80銭から69円60銭と18倍超となる。

 株価は安値圏で推移しているが、今期業績予想が大幅増収増益を見込むため、株価の急騰が期待できる。

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