【株式評論家の視点】サニーサイドアップ今17年6月期は初期3か年の最終年度にあたり、次なる収穫期に向けた飛躍の年

株式評論家の視点

 サニーサイドアップ<2180>(JQG)は、同社グループが掲げた中長期経営計画「Road to 2020 and beyond」において、東京に世界中の注目が集まる2020年を重要なマイルストーンとして位置づけ、戦略的に事業成長を図っていく経営方針を打ち出している。今17年6月期はその中で助走期とされた初期3か年の最終年度にあたり、次なる収穫期に向けた飛躍の年として位置付けている。

 業績回復を成し遂げたSP・MD事業、国内における新たな旗艦店舗をオープンさせるbills事業では、安定的な収益を継続するため、選択と集中による事業基盤の盤石化盤石化と収益性向上に取り組んでいる。スポーツ事業では、2020 年に向けて盛り上がるオリンピック・パラリンピック関連案件への取り組みをこれまで以上に活性化させている。開発事業の事業投資では、中長期視野に基づく発展の礎と位置付け、ジャパンブランドの世界発信をテーマにインターネットやビデオ・オン・デマンドを活用した独自の商流を構築して、越境ECを中心としたグローバル・ビジネスを展開するENGAWA(株)、時代のニーズに呼応した厳選された人財の紹介派遣を行う(株) サニーサイドアップキャリア、独自のノウハウを発揮するPRブティック、(株)エアサイドの3社が稼働しており、 収益化に向けた計画の実践に積極的に取り組んでいる。

 5月12日大引け後に発表した今2017年6月期第3四半期業績実績は、売上高99億4000万円(前年同期比5.8%増)、営業利益3億9300万円(同1.1%減)、経常利益5億0200万円(同62.0%増)、純利益3億4500万円(同2.0倍)に着地。基幹事業であるマーケティング・コミュニケーション事業の安定継続的な収益の獲得、bills国内店舗の堅調な成長と海外店舗(ハワイ店、韓国一号店・二号店)の経営軌道化、スポーツ事業におけるソリューションの拡充と新たな顧客開発の奏功、SP・MD事業におけるリソースの選択と集中による業績の安定化が寄与し、業績は2月8日に上方修正した年計画を上回り順調に推移している。

 今17年6月期業績予想は、売上高131億5100万円(前期比1.8%減)、営業利益3億2300万円(同27.8%減)、経常利益4億6100万円(同95.4%増)、最終損益3億7800万円の黒字(同2億1600万円の赤字)を見込む。配当予想は5月29日割当の1対2の株式分割に伴い、期末一括配当を従来計画の20円から10円に修正したが、実質配当は変わらない。また、株主優待を実施しているが、5月29日を基準日とする株式分割後においても、従来通り100株以上所有している株主に対して、同社が展開するレストランbillsが提供するメニューを無償提供する予定で、実質優待制度を拡充している。

 株価は、1月16日につけた年初来の安値895円円から5月8日に年初来の高値1649円と上昇した後、モミ合っている。中長期経営計画では、21年6月期売上高265億円、純利益率7.0%、自己資本利益率40%の数値目標を掲げているが、今17年6月期業績は上方修正した計画を達成出来る見通し。20年の東京オリンピック開催を前にスポーツ事業におけるソリューションの拡充と新たな顧客開発で、来18年6月期業績見通しに対する期待が高まる。25日移動平均線が下値支持線となっており、ここから押す場面があれば、絶好の買い場となりそうだ。(株式評論家・信濃川)

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