山田コンサルティンググループは05年高値が射程圏、18年3月期2桁増収増益・連続増配予想を評価

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 山田コンサルティンググループ<4792>(JQ)は経営・財務・M&A・不動産関連などのコンサルティング事業展開している。主力の経営コンサルティング事業が牽引して18年3月期2桁増収増益・連続増配予想である。株価は好業績を評価して上値を試す展開が期待され、05年の上場来高値が射程圏に入りそうだ。

■各種コンサルティング事業を展開する純粋持株会社

 各種コンサルティング事業を展開するグループの純粋持株会社である。

 傘下の事業会社は、山田ビジネスコンサルティングが経営・財務・事業承継・M&A支援などの経営コンサルティング事業、山田FASがM&A・企業再編の財務アドバイザイリー業務や中堅・中小企業対応M&A関連業務などの資本・株式・株主に関するコンサルティング事業、山田不動産コンサルティングが不動産有効活用などの不動産コンサルティング事業、東京ファイナンシャルプランナーズがFP資格取得講座などのFP関連事業、キャピタルソリューションおよび投資事業有限責任組合が投資・ファンド事業(事業承継・再生関連のファンド)を展開している。
 17年3月期のセグメント別売上構成比(連結消去前)は、経営コンサルティング事業73%、資本・株式・株主に関するコンサルティング事業12%、不動産コンサルティング事業7%、FP関連事業6%、投資・ファンド事業2%である。好採算案件、大型案件、および投資・ファンド事業の実現損益の有無で四半期利益が変動しやすい収益特性がある。

 17年4月には東京ファイナンシャルプランナーズの子会社として相続あんしんサポートを設立した。5月18日にはコンサルティング事業におけるシナジー効果を目的として、山田ビジネスコンサルティング(存続会社)と山田FAS(消滅会社)の合併(17年7月1日付)を発表した。

■中期的にROE20%以上を目指す

 中期経営目標としてROE20%以上を掲げ、重点戦略としては大手金融機関・証券会社・地方金融機関・提携会計事務所との連携強化、中堅・中小企業対応M&A関連分野の拡大、中国現地法人およびシンガポール支店を拠点とした中国・アジア展開の強化などを推進している。投資・ファンド事業では、事業承継問題を抱えている優良な中堅・中小企業をターゲットとして、投資リスクを最小限に抑えながら投資案件を発掘している。

 経営コンサルティング事業では「事業再生コンサル」「事業成長コンサル」「事業承継コンサル」「M&Aコンサル」の4本柱とするビジネスモデルを推進し、事業再生や事業承継を切り口としてM&Aコンサルを拡大する。

 利益配分については、グループ全体の利益水準、財政状態および配当性向等を総合的に勘案しながら「適正かつ安定的な配当」を続けていくことを基本方針とし、具体的指標としては配当性向を50%に近づけるべく努めるとしている。

■日本企業の海外展開支援を強化

 16年4月山田ビジネスコンサルティングが、シンガポールのリサーチファームであるSPIRE Research and Consulting(SPIRE)の株式80%を取得して子会社化した。多様化する日本企業の海外進出・既存海外事業に関するコンサルティングニーズに一層充実した体制で対応する。

 16年10月山田ビジネスコンサルティングがタイに子会社VBC&Spire社を設立した。16年12月タイの東洋ビジネスサービス(東洋社)と業務提携、および米国Takenaka Partnersと業務提携した。日本企業の海外展開に対する支援を強化する。

■17年3月期は大幅増収増益

 5月9日発表した前期(17年3月期)の連結業績は、売上高が前々期(16年3月期)比18.2%増の107億94百万円、営業利益が同5.6%増の22億55百万円、経常利益が同11.9%増の23億04百万円、純利益が同16.2%増の15億14百万円だった。

 主力の経営コンサルティング事業の好調が牽引して増収増益だった。売上高、利益とも概ね計画水準での着地だった。売上総利益は同16.2%増加したが、売上総利益率は87.8%で同1.5ポイント低下した。販管費は同19.9%増加し、販管費比率は66.9%で同1.0ポイント上昇した。営業外では為替差損益が改善(前々期は差損1億34百万円、前期は差益4百万円)した。

 またROEは16.4%で同1.0ポイント上昇し、自己資本比率は81.7%で同2.5ポイント低下した。配当は同20円増配の年間135円(第2四半期末65円、期末70円)とした。配当性向は42.2%である。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、経営コンサルタント事業は売上高が同24.2%増の79億30百万円で営業利益が同27.8%増の17億49百万円だった。複数の大型コンサルティング案件が売上実現し、M&Aおよび事業承継コンサルティングが順調だった。M&A関連売上高は46件・18億90百万円(前々期は32件・13億08百万円)だった。

 資本・株式・株主に関するコンサルティング事業は売上高が同4.1%減の12億81百万円で営業利益が同69.6%減の1億19百万円だった。M&A関連業務で人員増強したが期待ほどの成果が得られなかった。M&A関連売上高は18件・6億64百万円(同期17件・6億48百万円)だった。

 不動産コンサルティング事業は売上高が同3.0%増の8億06百万円で営業利益が同13.9%増の2億72百万円だった。提携事務所からの受注件数が増加した。FP関連事業は売上高が同8.4%減の6億67百万円で営業利益が同60.8%減の37百万円だった。確定拠出年金(DC)関連研修の実施回数減少、FP資格取得講座の受注減少で減収減益だった。投資・ファンド事業は売上高が同4.0倍の1億81百万円で営業利益が同74.6%増の37百万円だった。投資株式の償還益を計上した。

 四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期26億34百万円、第2四半期24億72百万円、第3四半期25億71百万円、第4四半期31億17百万円、営業利益は5億86百万円、4億54百万円、4億円、8億15百万円だった。

■18年3月期2桁増収増益・連続増配予想

 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月9日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比11.1%増の120億円、営業利益が同28.5%増の29億円、経常利益が同26.2%増の29億10百万円、純利益が同22.1%増の18億50百万円としている。配当予想は同15円増配の年間150円(第2四半期末75円、期末75円)で、予想配当性向は38.4%となる。

 経営コンサルタント事業において、M&A・事業承継・事業成長コンサルティングが順調に拡大して2桁増収増益予想である。なお経営コンサルタント事業と資本・株式・株主に関するコンサルティング事業を統合(17年3月期の両事業の単純合算値は売上高が92億11百万円で営業利益が18億68百万円)し、M&A関連および各種経営コンサルティングを一体化して効率性・成長性を高める。不動産コンサルティング事業は提携会計事務所との連携で安定した業績確保を見込んでいる。FP関連事業は事業基盤の再構築を推進する。

 セグメント別の計画は、経営コンサルタント事業の売上高が103億円で営業利益が25億40百万円、不動産コンサルティング事業の売上高が10億円で営業利益が3億05百万円、FP関連事業の売上高が7億30百万円で営業利益が55百万円としている。投資・ファンド事業は投資株式の売却損益を見込んでいない。なお投資・ファンド事業の17年3月期末投資残高は2億54百万円である。また地銀向けのファンドを立ち上げ準備中のようだ。

■株価は05年の上場来高値が射程圏

 株価の動きを見ると、高値圏5000円近辺のモミ合いから上放れて急伸する形となった。5月15日には6400円まで上伸し、05年の上場来高値7600円に接近している。18年3月期2桁増収増益・連続増配を好感する動きだ。

 5月19日の終値6290円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS389円77銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間150円で算出)は2.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2019円52銭で算出)は3.1倍近辺である。時価総額は約313億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって中段保ち合いから上放れの形となった。好業績を評価して上値を試す展開が期待され、05年の上場来高値7600円が射程圏に入りそうだ。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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