ミロク情報サービスの17年3月期は新規顧客開拓に加え、既存顧客向け売上も好調で、売上、利益ともに過去最高を達成

■続く今期もシステム導入契約売上高の受注残が増加し、好業績が見込まれる

 財務会計ソフトのミロク情報サービス<9928>(東1)の17年3月期業績は、新規顧客開拓に加え、既存顧客向け売上も好調であったことから、売上、利益ともに過去最高を達成した。続く今期もシステム導入契約売上高の受注残が6.06カ月と期首に比較すると0.74カ月増となっていることから、好業績が見込まれる。

 18年3月期通期連結業績予想は、売上高273億円(前期比4.1%増)、営業利益44億円(同7.2%増)、経常利益44億円(同9.7%増)、純利益28億60百万円(同9.3%増)と前期に続き最高益更新を見込む。

 同社の売上は、システム導入契約、サービス収入に分けられる。今期のシステム導入契約は164億69百万円(同0.8%増)である。
 サービス収入は93億49百万円(同4.5%増)を見込んでいる。
 
 また、今期は第4次中期経営計画(18年3月期から21年3月期)の初年度にあたり、事業基盤の強化・構造改革の時期と位置付けられている。

 第4次中期経営計画の最終年度にあたる2020年度の数値目標は、売上高500億円(17年3月期比238億円増)、経常利益150億円(同110億円増)、売上高経常利益率30%(同15ポイント増)、ROE30%(同12ポイント増)としている。

 4年後に売上高500億円を達成と急成長を見込んでいるが、同社グループでは、既存事業の成長に加え、フィンテック関連事業、bizoceanを中核としたポータルサイト事業、事業継承支援事業といった新規事業の成長を加速することで、実現可能と見ている。

 取組としては、1)新規顧客の開拓による顧客基盤の更なる拡大とお客様満足度の向上、2)製品競争力を一層高めるためのR&D体制の強化、3)グループ経営基盤の拡充とシナジーの最大化、4)業務プロセスやコスト構造の最適化による生産性向上と働き方改革による従業員満足度の向上、5)海外展開やフィンテック分野をはじめとする新規事業の推進を挙げている。

 新規顧客の開拓による顧客基盤の更なる拡大と顧客満足度の向上を実現するためには、営業戦力の増強、クロスセルの強化のための基盤作り、パートナー販売体制の強化を行い、会計事務所市場の半分を獲得するとしている。

 製品競争力を一層高めるためのR&D体制の強化に関しては、クラウドやモバイル、AIを含む先端テクノロジーの研究開発を行うために、R&D委員会を設置する。また、オフショア開発を含めた開発プロセスの合理化・効率化を推進し、更に、徹底した製品・サービスの品質の改善と強化を実施する。

 グループ経営基盤の拡充とシナジーの最大化を実現するについては、bizoceanのポータルサイト事業拡大のために、コンテンツの有料化、モバイルサービスを行い、bizoceanの上場を果たす。
 もう一方で、mmapの事業継承支援サービス事業の拡大を進める。そのためには、2200カ所超のパートナー事務所との連携強化を行い、事業継承マッチングサイトを7月にオープンする計画。更に、セミナー・研修会の積極的な開催も行う。

 業務プロセスやコスト構造の最適化による生産性向上と働き方改革による従業員満足度の向上に関しては、AIを活用した業務改革の推進を行う。また、コールセンターの効率化とアウトバウンドを強化する。一方で、多様な人材活用と多様な働き方を促進する。

 海外展開やフィンテック分野をはじめとする新規事業の推進については、マルチスマートカード事業の展開、Phone2Phone決済技術を活用した新規事業の展開を進めるとしている。

 同社では、2020年度の売上500億円はステップと捉えていて、その後の事業拡大を視野に入れた取組を実行している。

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