【業績でみる株価】三信電気は年初来高値更新の展開、18年3月期大幅増益予想
- 2017/5/25 15:58
- 業績でみる株価
大手半導体・電子部品商社である三信電気<8150>(東1)の18年3月期は需要回復や為替影響一巡で大幅営業増益・最終黒字化予想である。株価は収益改善を評価して年初来高値を更新した。15年11月高値は射程圏であり、これを突破すれば07年来の高値圏となって上げ足を速める可能性もありそうだ。
■18年3月期大幅営業増益・最終黒字化予想
5月15日発表した17年3月期連結業績は、売上高が16年3月期比15.8%減の1676億54百万円、営業利益が同58.0%減の8億04百万円、経常利益が9億52百万円の赤字(16年3月期は15億円の黒字)、純利益が15億75百万円の赤字(同9億77百万円の赤字)だった。
モバイル関連や社会インフラ関連の需要低迷、円高影響によって売上高および売上総利益が減少して大幅営業減益だった。さらに営業外で為替差損を計上して経常利益と純利益は赤字だった。ただし期後半の需要回復や円安でデバイス事業の収益が改善し、売上高、利益とも計画を上回った。
18年3月期の連結業績予想は売上高が16年3月期比10.3%増の1850億円、営業利益が同92.7%増の15億50百万円、経常利益が13億80百万円、純利益が7億円としている。想定為替レートは1米ドル=110円である。
需要は車載関連が堅調であり、モバイル関連の拡大や円安も寄与して2桁増収予想である。増収効果で売上総利益が増加し、販管費減少も寄与して営業損益が大幅に改善する見込みだ。そして営業外での為替差損一巡も寄与して経常利益と純利益は黒字化予想である。なお希望退職実施による販管費減少および特別損失計上を見込んでいる。
■株価は年初来高値更新
株価は18年3月期の収益改善予想を好感し、5月16日に年初来高値を更新して1486円まで上伸した。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返して13週移動平均線を突破している。調整が一巡して強基調に回帰した形だ。上値を試す展開が期待される。15年11月高値1558円は射程圏であり、これを突破すれば07年来の高値圏となる。上げ足を速める可能性もありそうだ。(MM)