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ストリームは底打ち感、18年1月期大幅増益予想で収益改善基調
- 2017/5/31 08:22
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ストリーム<3071>(東マ)は家電やパソコンなどのネット通販事業を主力として、新規事業のオンライン・ゲーム事業や子会社エックスワンの化粧品販売事業も強化している。18年1月期大幅増益予想で収益改善基調だ。株価は底打ち感を強めている。
■家電製品やパソコンなどのネット通販が主力
家電製品、パソコン、デジタルカメラなどを販売するネット通販サイト「ECカレント」「イーベスト」「特価COM」の運営(インターネット通販事業)を主力としている。また14年2月扶桑化学工業<4368>から株式80%取得して子会社化したエックスワンの化粧品・健康食品販売(ビューティー&ヘルスケア事業)、その他事業(各種販売支援事業とオンライン・ゲーム事業)も展開している。
17年1月期の事業別売上高構成比(連結調整前)は、インターネット通販事業が85%、ビューティー&ヘルスケア事業が11%、その他事業が4%である。各種販売支援事業はラオックス<8202>の国内免税店37店舗において、訪日観光客向けエックスワン商品の店舗販売を支援している。
なお収益面では、エックスワンの会員収入が期末に集中するため、エックスワンの収益は第4四半期の構成比が高くなる季節要因がある。
■インターネット通販事業はアイテム数充実や適正利益確保などを強化
インターネット通販事業は売れ筋商材の確保、アイテム数の充実、在庫の適正化、適正利益の確保などを推進している。17年4月にはインターネット通販サイト「Onesmart(ワンズマート)楽天市場店」をオープンした。子会社エックスワンのラインナップから最先端の再生医療技術を応用したヒト幹細胞コスメ「XLUXES(エックスリュークス)」シリーズなどを販売する。
■ビューティー&ヘルスケア事業は新製品投入推進
子会社エックスワンのビューティー&ヘルスケア事業は免税店での販売強化や新製品の開発・投入を推進している。
14年9月ラオックス<8202>と提携してエックスワンのコスメティック関連商品をラオックス免税店で販売開始、14年12月エックスワンの幹細胞コスメ・シリーズ「XLUXES(エックスリュークス)」の免税店舗販売でラオックス独占とした。17年1月期末時点でラオックス38店舗においてエックスワン商品を販売している。
15年5月エックスワンが専用エステ・サロン「XLUXES AOYAMA」を青山・骨董通りに、幹細胞コスメ「XLUXES」を主力としたコスメ・ブティック「XLUXES GINZA」を銀座八丁目に路面店として開設した。16年4月には東京・青山に美容総合スクール「ビューティーマスターカレッジ(BMC)」を開校した。
新商品では16年6月、多様化するインバウンド需要に対応した新スキンケアシリーズ「ORIGAMI(オリガミ)」を発表し、大和撫子の代名詞として中国で人気の高い酒井法子さんをイメージキャラクターに起用した。17年3月には腸の機能をサポートするサプリメント「エックスワン するっとぽん」を新発売した。
■オンライン・ゲーム事業も本格スタート
オンライン・ゲーム事業も本格スタートしている。16年9月DMM社および中国大手ゲーム系企業Youzu社が発表したスマホ向けゲームアプリ高速バトルRPG「三国ブレイズ」の配信にあたり、DMM社と共同で企画・運営を行うと発表した。
■17年1月期は減収減益だが売上総利益率改善
前期(17年1月期)連結業績は、売上高が前々期(16年1月期)比4.3%減の220億25百万円、営業利益が同49.9%減の1億87百万円、経常利益が同54.0%減の1億73百万円、純利益が同71.8%減の85百万円だった。
インターネット通販事業の売上が計画を下回り、各種販売支援事業の棚卸資産である訪日観光客用の国際通話用テレフォンカードの評価損計上、オンライン・ゲーム事業における追加イベント施策による広告宣伝費の増加などで計画未達となり、大幅減益だった。
売上総利益は同0.7%増加し、売上総利益率は22.0%で同1.2ポイント上昇した。販管費は同5.0%増加し、販管費比率は21.2%で同2.0ポイント上昇した。ROEは5.0%で同15.2ポイント低下、自己資本比率は36.7%で同2.7ポイント上昇した。配当は無配を継続した。
セグメント別(新セグメントのため前々期との比較なし)に見ると、インターネット通販事業は売上高が188億24百万円で営業利益(連結調整前)が2億53百万円だった。ビューティー&ヘルスケア事業は売上高が23億72百万円で営業利益が1億47百万円だった。その他事業は売上高が8億29百万円で営業利益が11百万円だった。
インターネット通販事業の商品カテゴリ別売上は、家電が1.3%減収、パソコンが8.9%増収、周辺機器・デジタルカメラが12.5%減収、その他が2.9%増収だった。
またビューティー&ヘルスケア事業の売上高内訳は、パーソナルケア(化粧品)が3.9%減の18億47百万円、ヘルスケア(健康食品)が10.4%減の3億55百万円、その他が3.3%減の1億82百万円だった。ビューティー&ヘルスケア事業の直営店売上は伸長したが、国内免税店における店舗販売は訪日観光客のニーズ変化で購買単価が下落した。
四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期55億62百万円、第2四半期57億33百万円、第3四半期46億03百万円、第4四半期61億27百万円、営業利益は92百万円、46百万円、31百万円の赤字、80百万円だった。
■18年1月期大幅増益予想で収益改善期待
今期(18年1月期)連結業績予想(3月14日公表)は売上高が前期(17年1月期)比7.4%増の236億54百万円、営業利益が同57.6%増の2億96百万円、経常利益が同59.9%増の2億77百万円、そして純利益が同2.4倍の2億08百万円としている。
インターネット通販事業では売れ筋商材の確保、アイテム数の充実、在庫の適正化を推進し、サイトリニューアルも実施予定としている。子会社エックスワンでは会員数拡大、訪日観光客のニーズに合った製品の供給を促進する。売上利益率改善も寄与して大幅増益予想である。売上総利益率は同1.1ポイント上昇の23.1%、販管費比率は同0.6ポイント上昇の21.8%の計画としている。なお配当予想は無配継続としている。
■20年東京五輪に向けてテレビ買い替え需要も期待
重点戦略として、インターネット通販事業ではWEBマーケティングによる販促強化、販売効率の向上、販売価格の適正化と粗利益の確保などの施策を強化し、子会社エックスワンでは、訪日外国人旅行客をターゲットとする免税店での販売強化、新製品の開発・販売を推進する。20年東京夏季五輪に向けてテレビ買い替え需要も期待される。
■株主優待制度は1月期末に実施
株主優待制度は毎年1月31日現在の100株以上~2500株未満所有株主に対して優待割引券1枚(1000円相当)、2500株以上~5000株未満所有株主に対して優待割引券3枚(3000円相当)、5000株以上所有株主に対して優待割引券5枚(5000円相当)を贈呈する。
■株価は底打ちして反発期待
株価の動きを見ると、4月安値103円から切り返して底打ち感を強めている。
5月30日の終値115円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円65銭で算出)は15倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS64円55銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約33億円である。
週足チャートで見ると戻りを押さえていた13週移動平均線突破の動きを強めている。底打ちして反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)