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【アナリスト水田雅展の銘柄診断】マルマエは下値固め完了して出直り、今期業績上ブレの可能性や収益改善基調を評価
- 2014/12/2 07:32
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
精密部品加工のマルマエ<6264>(東マ)の株価は、8月の年初来高値1468円から反落して調整局面だったが、直近安値圏の800円近辺で下値固め完了感を強めている。11月10日には939円まで急伸する場面もあった。今期(15年8月期)業績見通しに上ブレの可能性があり、収益改善基調を評価して出直り展開だろう。
半導体やFPD(フラットパネルディスプレー)などの製造装置に使用される真空部品や電極などの精密加工事業を展開し、新規分野として光学装置分野の精密加工も強化している。11年7月に事業再生ADRが成立し、売上拡大と生産性向上に取り組んでいる。
今期(15年8月期)の業績(非連結)見通し(10月14日公表)は売上高が前期比0.9%増の16億円、営業利益が同17.8%減の2億20百万円、経常利益が同21.7%減の2億円、純利益が同30.6%減の2億10百万円としている。不透明要因が多いためFPD分野とその他分野の受注を保守的な見通しとしている。
14年10月度の月次受注残高(速報値)を見ると、半導体分野が1億円、FPD分野が49百万円、その他分野が1億43百万円、合計が2億92百万円となり、前月比では84.4%増加、前年同月比では80.7%増加した。半導体分野は受注、出荷検収とも順調に推移した。FPD分野は受注が持ち直し傾向のようだ。その他分野では光学関連のユニット受注が寄与して受注残高が大幅に増加した。
今後の見通しとして、FPD分野の本格的な受注増加は年末あたりとなるようだが、半導体分野は受注・売上の増加傾向が継続するとしている。光学関連の受注拡大も寄与して今期業績の会社見通しには上ブレの可能性があり、一段の収益改善が期待されるだろう。
株価の動き(14年3月1日付けで株式100分割)を見ると、8月の年初来高値1468円から反落して調整局面だったが、直近安値圏の800円近辺で下値固め完了感を強めている。11月10日には939円まで急伸する場面もあった。
12月1日の終値862円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS120円37銭で算出)は7~8倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS86円03銭で算出)は10倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線がサポートラインとなって徐々に下値を切り上げ、26週移動平均線突破の動きを強めている。今期業績見通し上ブレの可能性や収益改善基調を評価して出直り展開だろう。