【どう見るこの相場】米FOMC通過後は上値を試す可能性

どう見るこの相場

■米FOMCが焦点だが、波乱なければ上値を試す可能性

 今週6月12日~16日の株式市場は、13日~14日開催予定の米FOMC(連邦公開市場委員会)が焦点となる。波乱なく通過すれば日経平均株価は上値を試す可能性がありそうだ。

 前週6月5日~9日は、週前半に為替が1ドル=109円台までドル安・円高方向に傾いたにもかかわらず、日経平均株価の調整は限定的だった。企業業績の円高抵抗力については以前から指摘されているが、株価にも円高抵抗力がついてきたようだ。そして8日のコミー前米FBI(連邦捜査局)長官の議会証言と英国の総選挙の結果が、いずれも政権の不安定化に繋がる内容だったにもかかわらず、9日の日経平均株価は堅調な動きとなり、終値で2万円台を回復した。

 トランプ米大統領のロシアゲート問題、英国の与党・保守党の過半数割れなど各国政権の不安定化による政治リスク、そして北朝鮮問題、世界各地で頻発するテロやカタールに関連する地政学リスクが燻ぶる状況に変化はないが、世界の株式市場は景気と企業業績の拡大に対する期待感を強めているようだ。

 今週の重要イベントとなる13日~14日開催予定の米FOMCでは追加利上げが確実視され、焦点はFOMC声明文やイエレン米FRB(連邦準備制度理事会)議長の記者会見での追加利上げペースに関するコメントとなっている。ただし追加利上げペースを遅らせることを示唆する可能性は小さく、市場は再び年内あと2回の利上げを織り込みに行くことになりそうだ。そして日米金利差拡大で為替がドル高・円安方向に傾けば日本株にとって追い風となる。当面は強気相場となりそうだ。

■日経平均株価上昇なら主力大型株に物色シフト

 日経平均株価が上値を試す展開となれば、物色は中小型株から主力大型株にシフトする可能性が高まりそうだ。特に出遅れ感の強い自動車セクターや銀行セクターの動きに注目したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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