【中期経営計画と株価】不二越は積極的な海外展開で業績拡大、前11月期は7期ぶり最高益更新、PER割安

中期経営計画と株価

不二越<6474>(東1・売買単位1000株)は2016年度を目標にした中期経営計画を推進中である。この推進力となるのが、6つの製品だ。それは自動車ベアリング(13年度比1.4倍の売上げ増加を目指す)、カーコントロールバブル(同1.6倍)、建機用油圧機器(同2.1倍)、ロボット(同1.8倍)、産業機械向け油圧機器(同1.5倍)、ラウンドツール(同1.8倍)である。

米国での自動車生産の活況を背景に自動車ベアリングの販売は好調そのもの。ロボットも中国での生産自動化設備の需要拡大を背景に順調に売上高を伸ばしている。このため、同社は米国や中国、そしてインドで生産体制の拡充を図っている。

こうしたことが奏功して2014年11月期の経常利益は184億1900万円(前々期比57.5%増)と7期ぶりに過去最高を更新した。そして、2015年11月期は売上高2250億円(前期比3.1%増)、営業利益205億円(同10.4%増)、経常利益195億円(同5.9%増)、当期純利益120億円(同20.8%増)と増収増益を確保する見込み。当然、利益は前期に引き続き記録を更新することになる。

そして、2016年11月期の業績だが、中期経営計画の目標として売上高2500億円、営業利益250億円、経常利益240億円、当期純利益160億円の達成を目指す。さらに、長期ビジョンとして2020年度には売上高4000億円、営業利益400億円達成を目標にしている。

ちなみに2015年11月期の予想一株当たり利益は48円62銭(前期39円98銭)に向上し、配当は年10円(同8円)に増配する方針だ。これで2期連続しての増配となる。

2016年11月期の予想一株当たり利益は64円前後にアップする。これで計算したPERは10倍を割り込む。割安である。2014年11月期の当期純利益が当初計画より下回った事が嫌気されて、株価は下落するなど軟調に推移。また、韓国公正取引委員会からの談合問題などマイナス材料はあるが、この悪影響は一時的である。株価は下値600円前後、上値800円前後のボックス相場を形成している。今はその下限近辺で推移している。信用買い残高が増加しているが、これは個人投資家が強気に転じてきた証拠である。下値不安に乏しく、中長期的に明るい同社株は絶好の買い場だ。2014年9月に付けた高値816円抜けは時間の問題だろう。

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