川崎近海汽船は18年3月期2桁増益予想で低PBRを見直し

 川崎近海汽船<9179>(東2)は近海輸送と内航輸送を主力としている。18年3月期は市況改善傾向で増収・2桁増益予想である。株価は上値の重い展開だが、低PBRを見直す動きが期待される。なお7月31日に第1四半期決算発表を予定している。また17年10月1日付で10株を1株に併合して単元株式数を1000株から100株に変更する。

■近海輸送と内航輸送を展開

 石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門を展開している。新規分野として日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備・洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出している。

■18年3月期増収・2桁増益予想、円安と市況改善がプラス要因

 今期(18年3月期)連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期(17年3月期)比9.6%増の411億円、営業利益が同16.8%増の16億50百万円、経常利益が同18.1%増の16億円、純利益が同68.7%増の10億円としている。想定為替レートは1ドル=110円(前期実績は1ドル=108円44銭)で、想定燃料油価格(国内価格)は4万7700円/KL(同4万38円/KL)としている。
 近海部門では市況が底を打ったという認識に立ち、市況動向を慎重に見極めながら貨物獲得や船体整備を実行する。内航部門は不定期船輸送で各専用船の安定した輸送量を見込み、定期船輸送では16年10月開設した清水~大分の新規航路の集荷に注力する。円高影響が一巡し、市況改善傾向も追い風となって収益改善が期待される。

 配当予想は第2四半期末が5円、期末が50円としている。17年10月1日付の株式併合(10株を1株に併合)を考慮して株式併合後に換算すると年間100円となり、17年3月期の換算後の年間80円との比較で実質的に20円増配となる。予想配当性向は29.4%である。

■株価は調整一巡感、低PBRを見直し

 株価は上値の重い展開だが、徐々に下値を切り上げて調整一巡感を強めている。

 7月4日の終値306円を指標面(EPS・配当・BPSは17年10月1日付株式併合前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS34円06銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は3.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS797円24銭で算出)は0.4倍近辺である。時価総額は約90億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が下値を支える形だ。0.4倍近辺の低PBRを見直す動きが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る