- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- ゼリア新薬工業は年初来高値更新の展開、18年3月期増収増益・増配予想や自己株式取得を評価
ゼリア新薬工業は年初来高値更新の展開、18年3月期増収増益・増配予想や自己株式取得を評価
- 2017/7/7 06:29
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ゼリア新薬工業<4559>(東1)は、消化器分野が中心の医療用医薬品事業、および一般用医薬品のコンシューマーヘルスケア事業を展開し、18年3月期増収増益・増配予想である。株価は年初来高値更新の展開となった。自己株式取得も評価して上値を試す展開が期待される。
■医療用医薬品事業とコンシューマーヘルスケア事業を展開
消化器分野が中心の医療用医薬品事業、および一般用医薬品のコンシューマーヘルスケア事業を展開している。
医療用医薬品事業は潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」を主力として、H2受容体拮抗剤「アシノン」や機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」なども展開している。15年7月にはアストラゼネカ社から炎症性腸疾患(IBD)治療剤「Entocort」の米国を除く全世界における権利を取得した。コンシューマーヘルスケア事業はヘパリーゼ群、コンドロイチン群、ウィズワン群を主力としている。
■消化器分野を最重点領域として新薬開発を推進
新薬開発は消化器分野を最重点領域と位置付けている。膵臓癌を適応症とする「Z-360」は日本を含むアジア地域でフェーズ2国際共同治験中、子宮頸癌を適応症とする「Z-100」は日本を含むアジア地域でフェーズ3国際共同治験中、鉄欠乏性貧血治療剤「Z-213」はフェーズ3段階である。
■18年3月期増収増益・増配予想、主力製品が伸長
今期(18年3月期)の連結業績予想(5月12日公表)は売上高が前期(17年3月期)比4.9%増の680億円、営業利益が同10.1%増の50億円、経常利益が同12.7%増の50億円、純利益が同7.2%増の38億円としている。配当予想は同2円増配の年間34円(第2四半期末17円、期末17円)で予想配当性向は47.5%となる。
医療用医薬品事業では、潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」が海外で伸長し、炎症性腸疾患(IBD)治療剤「Entocort」の寄与、機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」の市場構築などを見込んでいる。コンシューマーヘルスケア事業では、ヘパリーゼ群などの主力製品の伸長を見込んでいる。研究開発費や広告宣伝費の増加を増収効果で吸収する。
■株価は年初来高値更新の展開
自己株式取得は取得株式総数の上限180万株、取得価額総額の上限36億円、取得期間17年6月19日~17年11月2日としている。株価は自己株式取得も好感して年初来高値更新の展開となった。7月6日には2123円円まで上伸した。
7月6日の終値2103円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS71円54銭で算出)は29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間34円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1192円73銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約1117億円である。
週足チャートで見ると窓を開けて急伸し、13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて先高感を強めている。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)