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アルコニックスは年初来高値圏、18年3月期2桁増益予想、フシ突破すれば割安感も見直して上げ足速める可能性
- 2017/7/10 06:37
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指している。18年3月期は円安や非鉄市況回復も寄与して2桁増益予想である。株価は年初来高値圏で堅調だ。フシを突破すれば指標面の割安感も見直して上げ足を速める可能性がありそうだ。なお8月8日に第1四半期決算発表を予定している。
■商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」目指す
軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。
レアメタル分野に強みを持つことも特徴だが、中期成長に向けて商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)~川中(流通)~川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。
■18年3月期増収・2桁増益予想
今期(18年3月期)の連結業績予想(5月15日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比8.9%増の2200億円、営業利益が同10.4%増の46億円、経常利益が同12.6%増の49億円、純利益が同11.9%増の34億50百万円としている。円安、銅を中心とした非鉄市況の回復、レアメタル・レアアースの市況底打ち、製造子会社の収益改善、富士プレスの新規連結などで増2桁増益予想である。
中期経営計画(18年3月期~20年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を20年3月期の経常利益65億円超、純利益47億円超、ROE13~15%程度、NET/DER1.0~1.3倍程度とした。3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円の計画としている。商社機能と製造業を融合した「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。グループのシナジー効果を高めて中期的に収益拡大基調が期待される。
■株価は年初来高値圏で堅調、フシ突破すれば上げ足速める可能性
株価の動きを見ると、年初来高値圏2000円近辺で堅調に推移している。そしてモミ合い煮詰まり感も強めている。
7月7日の終値1985円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS267円57銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間44円で算出)は2.2%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2511円23銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約256億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形だ。上値を試す展開が期待される。2000円台のフシを突破すれば指標面の割安感も見直して上げ足を速める可能性がありそうだ。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)