【株式評論家の視点】一正蒲鉾は「うなる美味しさうな次郎」など好調、26週移動平均線に接近し値ごろ感

株式評論家の視点

 一正蒲鉾<2904>(東1)は、1989年(平成元年)2月に)社団法人日本証券業協会店頭登録銘柄として登録、2014年(平成26年)6月東京証券取引所市場第二部に市場変更、同11月に同市場第一部銘柄に指定変更。1965年(昭和40年)の創業以来、「お客さまに愛される味づくり」に尽力し、練り製品業界のトップクラスのシェアを獲得。安全と安心を基本とした商品の安定的提供を優先として、生産性向上と商品領域の拡大を図り、事業基盤の更なる強化を図っている。

 水産練製品・惣菜事業においては、生産技術革新、独自性・高度化を推進するとともに、賞味期限の延長と美味しさの追求により、更なる競争優位性と収益の確保に注力している。きのこ事業においては、コストダウンの一層の推進と生産性向上に対する取り組み強化に加え、新規の顧客開拓や販売促進の強化を図り、安定的な収益確保に注力。 海外連結子会社においては、まいたけの認知度をあげるためにプロモーションの継続実施を行いながら、販売ネットワークを確立し、新規の顧客開拓と既存の顧客との深耕を推し進めている。その他事業の運送事業においては、顧客の物流方針や輸送ニーズに対応するため、輸送体制の更なる適化・効率化を推進し、収益力の強化を図っているほか 同倉庫事業においては、新規寄託物の開拓を推進するとともに、保管管理体制を更に強化し、収益の確保に注力している。

 2017年6月期第3四半期業績実績は、売上高282億5400万円(前年同期比0.9%減)、営業利益16億0900万円(同59.0%増)、経常利益17億4800万円(同92.8%増)、純利益10億8100万円(同2.8倍)に着地。うなぎの蒲焼きをイメージした「うなる美味しさうな次郎」や新しい食素材の「サラダフィッシュ」が好調。昨年残暑が長引いたことにより「揚物」・「竹輪」商品群が軟調に推移したものの、原材料やエネルギーコストの低減やコスト削減が奏功し、大幅増益と順調に推移している。

 2017年6月期業績予想は、売上高365億円(前期比4.2%増)、営業利益13億円(同62.8%増)、経常利益13億円(同2.7倍)、純利益6億円(同2.4倍)を見込む。配当予想は、期末一括6円継続を予定。株主優待として、100株以上の株主に1,000円相当の自社製品、500株以上の株主に3,000円相当の自社製品、1,000株以上の株主に5,000円相当の自社製品の贈呈を予定している。

 株価は、1月12日につけた年初来の安値1101円から6月23日に年初来の高値1414円と上昇。配当権利落ちに伴う売りに押され7月7日安値1282円と短期調整している。スイーツ親方監修の「スプーンで食べる甘酒」など新商品の販売が注目されるほか、日本高血圧学会減塩委員会「第3回JSH減塩食品アワード」の金賞受賞で減塩食品の販売に弾みがつくと予想される。また、NGT48出演の「うなる美味しさうな次郎」TVCMが新潟県・北海道で放映、「うなる美味しさうな次郎」の記念日イベントの実施。夏休み工場見学の開催を予定しており、18年6月期増収増益が観測されている。1300円割れの下値圏で、26週移動平均線に接近しており、値ごろ感が出ており、ここからの押し目は買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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