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JSPは高値圏で堅調、18年3月期は高付加価値製品拡販で上振れ余地
- 2017/7/14 06:52
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。18年3月期は減益予想だが、自動車用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販が進展して上振れ余地がありそうだ。株価は高値圏で堅調だ。指標面に割高感はなく上値を試す展開が期待される。
■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販
発泡プラスチック製品大手で、三菱瓦斯化学<4182>の連結子会社である。
押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。
自動車部品用発泡ポリプロピレン「ピーブロック(英名ARPRO)」や、住宅用高性能断熱材「ミラフォーム」など高機能・高付加価値製品の拡販を推進し、生産能力の増強も進めている。
自動車用「ピーブロック」は自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大している。日系自動車メーカーのリアシートコア材への採用が広がり、搭載車種生産台数は16年度の約130万台から20年度には約520万台に拡大する見込みだ。
■18年3月期減益予想だが、高付加価値製品拡販で上振れ余地
今期(18年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比6.8%増の1165億円、営業利益が同1.2%減の95億円、経常利益が同3.3%減の97億円、純利益が同8.2%減の67億円としている。
国内外における原料価格の上昇などで減益予想としているが、自動車部品用「ピーブロック」など高付加価値製品の拡販に加えて、円安もプラス要因となる。会社予想には上振れ余地がありそうだ。
■株価は高値圏で堅調、割高感なく上値試す
株価の動きを見ると高値圏で堅調だ。7月3日には3430円まで上伸した。その後は上げ一服の形だが、自律調整の範囲だろう。
7月13日の終値3255円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS224円75銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2433円10銭で算出)は1.3倍近辺である。時価総額は約1023億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線も上向きに転じた。先高期待を強める形だ。指標面に割高感はなく上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)