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久世は戻り歩調、18年3月期増収増益予想で低PBRも見直し
- 2017/7/14 06:43
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
久世<2708>(JQ)は外食・中食産業向け業務用食材卸売事業を首都圏中心に展開している。売上総利益率改善などで18年3月期増収増益予想である。上振れ余地もありそうだ。株価は6月の直近安値圏から切り返して戻り歩調だ。0.7倍近辺の低PBRも見直し材料だ。
■業務用食材卸売事業を首都圏中心に展開
首都圏中心に外食・中食産業向け業務用食材の卸売事業を展開し、子会社キスコフーズは国内とニュージーランドで業務用高級ソース・高級スープの製造、久世フレッシュ・ワンは東京都内を中心に生鮮野菜など農産品の卸売を展開している。
効率性を意識した営業推進、高付加価値商品の拡販、競争力のある商品提案、物流改善の効果に加えて、低採算だった大口取引先(居酒屋業態)との取引を16年1月解消した効果で、営業損益は改善基調である。
中長期目標には連結売上高1000億円を掲げている。基本戦略としてチェーン戦略(KZN=久世全国ネットワーク)=効率的な全国物流ネットワークの構築と機能の強化、エリア戦略=3大都市圏のエリア特性にあった戦略、フルライン戦略=ワンストップショッピングを可能とするフルライン機能の強化、商品開発・加工・製造戦略=マーチャンダイズ機能の強化、海外事業戦略=新しいマーケットの開拓を推進している。
■18年3月期増収増益予想
今期(18年3月期)の連結業績予想(5月12日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比3.1%増の635億円、営業利益が同5.5%増の6億円、経常利益が同1.0%増の6億70百万円、純利益が同0.5%増の4億90百万円としている。配当予想は前期と同額の年間12円(期末一括)で予想配当性向は9.3%となる。
大口取引先との取引解消の影響が一巡し、新規取引先の開拓や既存取引先のインストアシェアアップで増収基調となり、高付加価値商品拡販などによる売上総利益率改善、一段の物流業務効率化による物流費削減などで増益予想である。会社予想は保守的な印象が強く、上振れ余地があるだろう。
■株価は戻り歩調、低PBRも見直し
株価の動きを見ると、6月13日の直近安値900円から切り返して戻り歩調だ。7月10日には997円まで上伸した。
7月13日の終値961円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS129円14銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺で、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1423円89銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約37億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形だ。0.7倍近辺の低PBRも見直し材料として、戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)