【新規上場(IPO)銘柄】ウェーブロックホールディングスは「虫のイヤがる網」に関心高まる、31日に第1四半期決算を発表

株式評論家の視点

 ウェーブロックホールディングス<7940>(東2)は、4月10日に東京証券取引所市場第二部に再上場。同社グループは、同社および連結子会社13社、非連結子会社1社、関連会社1社の合計16社で構成されており、持株会社である同社の下、各事業会社において各種プラスチックと繊維、紙等を原材料とした複合素材の製造および販売を主たる業務としている。

 今2018年3月期は、同社グループの主要事業であるインテリア事業、編織事業、産業資材・包材事業においては、大口取引先との取引の更なる拡大に尽力するとともに、原材料価格の動向を注視し、生産合理化によるコストダウンや生産性の向上に取り組み、安定的な収益確保に尽力している。また、アドバンストテクノロジー事業においては、自動車、弱電等、注力する業界の世界的な需要動向に臨機応変に対応し、新規案件の確実な獲得等により、積極的に市場を開拓するとともに、製品品質の安定化を図り、収益の拡大を目指している。

 今2018年3月期第2四半期業績予想は、売上高142億円、営業利益7億5000万円、経常利益9億2000万円、純利益6億5000万円を見込む。

 今18年3月期業績予想は、売上高280億円(前期比4.1%増)、営業利益14億円(同2.9%増)、経常利益17億5000万円(同3.2%増)、純利益12億5000万円(同12.8%増)を見込む。年間配当予想は24円(第2四半期末12円、期末12円)の復配を予定している。

 株価は、4月14日につけた上場来の安値619円を底に6月23日に上場来の高値1390円と上昇した後、モミ合っている。同社グループは、様々な虫に対して高い忌避効果を発揮する薬剤「エトフェンプロックス」を練り込んだ糸を用いた防虫網を製造することに成功。国土交通省が4日、大阪市の大阪南港で毒性を持つ南米原産のヒアリが確認されたことを受け、全国933港の港湾を管理する自治体などに対し、中国との航路がある場合には殺虫剤入りの餌を置く対策を取るように要請しており、ヒアリ対策で注目度は高い。今期予想PER9倍台と割安感があるほか、配当利回り約2%と利回り妙味もソコソコあり、今月31日に予定される第1四半期決算を前に下押す場面は買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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