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ストリームは下値切り上げて基調転換の動き、18年1月大幅増益予想
- 2017/7/18 06:54
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ストリーム<3071>(東マ)は家電やパソコンなどのネット通販事業を主力として、新規事業のオンライン・ゲーム事業や子会社エックスワンの化粧品販売事業も強化している。18年1月期大幅増益予想で収益改善が期待される。株価は下値を切り上げて基調転換の動きを強めている。戻りを試す展開が期待される。
■家電製品やパソコンなどのネット通販が主力
家電製品、パソコン、デジタルカメラなどを販売するネット通販サイト「ECカレント」「イーベスト」「特価COM」の運営(インターネット通販事業)を主力としている。またエックスワン(14年2月扶桑化学工業<4368>から株式80%取得して子会社化)の化粧品・健康食品販売(ビューティー&ヘルスケア事業)、その他事業(各種販売支援事業とオンライン・ゲーム事業)も展開している。
17年1月期の事業別売上高構成比(連結調整前)は、インターネット通販事業が85%、ビューティー&ヘルスケア事業が11%、その他事業が4%である。各種販売支援事業はラオックス<8202>の国内免税店37店舗において、訪日観光客向けエックスワン商品の店舗販売を支援している。
なお収益面では、エックスワンの会員収入が期末に集中するため、エックスワンの収益は第4四半期の構成比が高くなる季節要因がある。
■インターネット通販事業はアイテム数充実や適正利益確保などを強化
インターネット通販事業は売れ筋商材の確保、アイテム数の充実、在庫の適正化、適正利益の確保などを推進している。17年4月にはインターネット通販サイト「Onesmart(ワンズマート)楽天市場店」をオープンした。子会社エックスワンのラインナップから最先端の再生医療技術を応用したヒト幹細胞コスメ「XLUXES(エックスリュークス)」シリーズなどを販売する。
■ビューティー&ヘルスケア事業は新製品投入推進
エックスワンのビューティー&ヘルスケア事業は、免税店での販売強化や新製品の開発・投入を推進している。
14年9月ラオックス<8202>と提携してエックスワンのコスメティック関連商品をラオックス免税店で販売開始し、17年1月期末時点でラオックス38店舗においてエックスワン商品を販売している。
15年5月専用エステ・サロン「XLUXES AOYAMA」を青山・骨董通りに、幹細胞コスメ「XLUXES」を主力としたコスメ・ブティック「XLUXES GINZA」を銀座八丁目に路面店として開設、16年4月東京・青山に美容総合スクール「ビューティーマスターカレッジ(BMC)」を開校した。
16年6月新スキンケアシリーズ「ORIGAMI」を発表し、大和撫子の代名詞として中国で人気の高い酒井法子さんをイメージキャラクターに起用、17年3月腸の機能をサポートするサプリメント「エックスワン するっとぽん」を新発売した。
■オンライン・ゲーム事業は配信を共同企画・運営
オンライン・ゲーム事業は、DMM社および中国大手ゲーム系企業Youzu社が発表したスマホ向けゲームアプリ高速バトルRPG「三国ブレイズ」の配信で、DMM社と共同企画・運営している。
■18年1月期第1四半期は減収減益
今期(18年1月期)第1四半期(2月~4月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.5%減の51億99百万円、営業利益が同80.0%減の18百万円、経常利益が同82.6%減の14百万円、純利益が同75.8%減の16百万円だった。
主力のインターネット通販事業、およびビューティー&ヘルスケア事業が減収となり、売上総利益が減少して大幅減益だった。売上総利益は同6.4%減少したが、売上総利益率は22.0%で同0.1ポイント上昇した。販管費は同0.3%減少したが、販管費比率は21.6%で同1.3ポイント上昇した。
セグメント別に見ると、インターネット通販事業は売上高が同7.5%減の44億40百万円で営業利益(連結調整前)が同43.5%減の63百万円だった。ビューティー&ヘルスケア事業は売上高が同10.6%減の5億30百万円で営業利益が5百万円の赤字だった。その他事業は売上高が同22.6%増の3億57百万円で営業利益が同54.3%増の33百万円だった。
インターネット通販事業の商品カテゴリ別売上は、家電が15.8%減収、パソコンが4.8%増収、周辺機器・デジタルカメラが8.4%増収、その他が8.5%減収だった。ビューティー&ヘルスケア事業の売上高内訳はパーソナルケア(化粧品)が4億26百万円、ヘルスケア(健康食品)が82百万円、その他が20百万円だった。ビューティー&ヘルスケア事業は直営店舗が堅調だが、国内免税店における店舗販売は訪日観光客のニーズ変化による購買単価下落で減収だった。
■18年1月期大幅増益予想で収益改善期待
今期(18年1月期)連結業績予想(3月14日公表)は売上高が前期(17年1月期)比7.4%増の236億54百万円、営業利益が同57.6%増の2億96百万円、経常利益が同59.9%増の2億77百万円、純利益が同2.4倍の2億08百万円としている。
インターネット通販事業では売れ筋商材の確保、アイテム数の充実、在庫の適正化を推進し、サイトリニューアルも実施予定としている。子会社エックスワンでは、会員向けに展開していた商品を「X-oneショッピングクラブ」として一般向けに割引販売するとともに、法人会員の活性化に取り組む。売上利益率改善も寄与して大幅増益予想である。売上総利益率は同1.1ポイント上昇の23.1%、販管費比率は同0.6ポイント上昇の21.8%の計画としている。配当予想は無配継続としている。
■20年東京五輪に向けてテレビ買い替え需要も期待
重点戦略として、インターネット通販事業ではWEBマーケティングによる販促強化、販売効率の向上、販売価格の適正化と粗利益の確保などの施策を強化し、子会社エックスワンでは、訪日外国人旅行客をターゲットとする免税店での販売強化、新製品の開発・販売を推進する。20年東京夏季五輪に向けてテレビ買い替え需要も期待される。
■株主優待制度は1月期末に実施
株主優待制度は毎年1月31日現在の100株以上~2500株未満所有株主に対して優待割引券1枚(1000円相当)、2500株以上~5000株未満所有株主に対して優待割引券3枚(3000円相当)、5000株以上所有株主に対して優待割引券5枚(5000円相当)を贈呈する。
■株価は下値切り上げて基調転換の動き
株価の動きを見ると4月安値103円、5月安値109円、6月安値117円と下値を切り上げて基調転換の動きを強めている。そして7月12日と13日には132円まで上伸する場面があった。
7月14日の終値125円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円65銭で算出)は16~17倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS64円55銭で算出)は1.9倍近辺である。時価総額は約36億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線が下値を支える形となって26週移動平均線を突破した。基調転換して戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)