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Jトラストは基調転換して戻り試す、18年3月期実質大幅増収増益予想で低PBRも見直し
- 2017/7/19 07:15
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
Jトラスト<8508>(東2)は、銀行業を中心とする持続的な利益成長に向けて事業基盤を強化している。18年3月期(IFRS任意適用)は実質的に大幅増収増益予想である。株価は基調転換し、低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。なお8月10日に第1四半期決算発表を予定している。
■国内外で銀行業を中心に業容拡大・事業基盤強化
国内外でM&Aや債権承継などを積極活用して業容を拡大している。そして銀行業を中心とする持続的な利益成長に向けて事業基盤を強化している。特に韓国やインドネシアなどアジア地域での金融事業拡大を推進している。
事業セグメントは、国内金融事業(信用保証、債権回収、クレジット・信販、その他の金融)、韓国金融事業(貯蓄銀行、債権回収、キャピタル)、東南アジア金融事業(銀行、債権回収、販売金融)、総合エンターテインメント事業(アミューズメント施設運営など)、不動産事業(戸建分譲中心の不動産売買、流動化不動産中心の収益物件仕入・販売)、投資事業、その他事業としている。
収益はM&A・のれん償却・事業再編・不良債権処理などで大幅に変動する可能性がある。18年3月期から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用する。また16年5月には東証1部への申請に向けた検討を開始したと発表している。
■18年3月期(IFRS任意適用)は実質大幅増収増益予想
今期(18年3月期、IFRS任意適用)連結業績予想(5月12日公表)は、営業収益が894億90百万円、営業利益が100億58百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が81億37百万円としている。
今期からIFRS任意適用のため前期(17年3月期)との比較はできないが、前期実績をIFRS表示(未監査)した場合の営業収益791億円、営業利益9億円、当期利益22億円の赤字に対して、営業収益は103億円増加、営業利益は91億円増加、当期利益は103億円増加となる。実質的に大幅増収増益予想である。
中期成長に向けて、M&Aや事業再編を活用したグループの事業基盤構築・強化に取り組んでいるため、M&A・事業再編および事業構造改革に伴う一時的利益・費用の計上で収益が大幅に変動する可能性もあるが、韓国事業の収益改善、東南アジアへの積極的な業容拡大、グループシナジーなどの効果で銀行業の収益が本格化し、中期的に収益拡大が期待される。
■株価は基調転換して戻り試す、低PBRも見直し
株価の動きを見ると、800円近辺で下値固めが完了して基調転換の動きを強めている。7月4日には938円まで上伸する場面があった。
7月18日の終値889円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS79円05銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1455円90銭で算出)は0.6倍近辺である。なお時価総額は約1001億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線が上向きに転じた。基調転換し、低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)