松田産業は調整一巡感、18年3月期増収増益予想で低PBRも見直し

 松田産業<7456>(東1)は貴金属関連事業および農林水産品販売事業を展開している。18年3月期は数量・市況回復で増収増益予想である。株価は調整一巡感を強めている。0.7倍近辺の低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。

■貴金属リサイクルや農林水産品販売を展開

 貴金属リサイクル(貴金属事業)や産業廃棄物処理(環境事業)などの貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。

 貴金属リサイクルは、半導体・電子材料部材・化成品などの貴金属製品をエレクトロニクス業界へ販売するとともに、半導体や電子部品を製造する過程で規格外となった部品(スペックアウト品)などの貴金属含有スクラップを国内外のメーカーから回収・処理・製錬することで、貴金属(金・プラチナ・パラジウムなど)をリサイクルする。産業廃棄物処理は、写真の感光材料からの銀の回収、廃酸や廃アルカリの無害化中間処理など、産業廃棄物の回収・処理を行っている。

 食品関連事業は、すりみ・エビ・貝類などの水産品、鶏卵・鶏肉・ポーク・ビーフなどの畜産品、乾燥野菜・冷凍野菜などの農産品を取り扱っている。取扱商品の豊富さとグローバルな調達ネットワークが強みだ。16年2月には水産品専門商社のガルフ食品の全株式を取得、17年5月にはベトナムに現地法人を設立した。

■18年3月期増収増益予想で収益改善期待

 今期(18年3月期)連結業績予想(5月12日公表)は売上高が前期(17年3月期)比7.3%増の1750億円、営業利益が同8.1%増の32億円、経常利益が同1.2%増の35億円、純利益が同1.4%増の24億90百万円としている。配当予想は前期と同額の年間28円(第2四半期末14円、期末14円)で、予想配当性向は29.6%となる。

 貴金属関連事業において貴金属リサイクル取扱量が回復傾向であり、食品関連事業も販売数量が堅調に推移して、全体として増収増益予想である。貴金属関連事業は売上高が同2.7%増の1050億円で営業利益が同7.8%増の20億円、食品関連事業は売上高が同15.1%増の700億円で営業利益が同8.7%増の12億円の計画としている。数量・市況回復で収益改善が期待される。

■株価は調整一巡感、低PBRも見直し

 株価の動きを見ると、やや上値の重い展開だが、徐々に下値を切り上げて調整一巡感を強めている。

 7月19日の終値1478円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS94円55銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間28円で算出)は1.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2027円45銭で算出)は0.7倍近辺である。時価総額は約427億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。0.7倍近辺の低PBRも見直して戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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