【編集長の視点】フリークアウトはもみ合いも1Qの過去最高売り上げを見直し下げ過ぎ訂正余地

編集長の視点

フリークアウト<6094>(東マ)は、9円高の2250円と3営業日ぶりに反発して始まったあと43円安と下ぶれるなど、今年2月6日につけた上場来安値2160円を前にもみ合いを続けている。

今年1月26日に発表した今9月期第1四半期(1Q)決算が、9月通期業績に対して低利益進捗率にとどまったことから上場来安値と売られたが、下値には同1Q売り上げが、四半期として初めて10億円台に乗せ過去最高となったことを見直した買い物も交錯し、底上げ期待が続いている。昨年12月に発表したマクロミル(東京都港区)との広告効果測定指標との研究開発も、同社のインターネット広告の展開力を強化するとして合わせて再評価されそうだ。

■スマホ向け広告が高成長し9月通期純利益は過去最高を大幅更新

1Q業績は、売り上げが、10億700万円(前年同期比33.1%増)と伸び、仕入れ率の増加や人件費の負担増をカバーして、経常利益は、7500万円(同52.1%増)、純利益は、4800万円(同2.18倍)と好調に着地した。2014年のインターネット広告市場が、前年比約8%増と続伸し広告費全体の約16%を占める好環境下、ウエブサイトに来訪したユーザーの1視聴ごとにリアルタイムにインターネット広告の入札を行うRTB技術と、広告主が待つビッグデータを分析・解析するDMP技術を展開して幅広い業種の広告主の広告効果を最大化することに取り組み、PC広告が引き続き堅調に推移し、スマートフォン向け広告も、ネイティブ広告の牽引により高成長したことなどが寄与した。今9月通期業績は期初予想を据え置き、売り上げ40億円(前期比24.0%増)、経常利益4億円(同2.32倍)、純利益2億600万円(同4.20倍)とV字回復を予想、純利益は、2013年9月期の過去最高(8600万円)を2期ぶりに大幅に更新する。

なおマクロミルとの研究開発は、広告主にとってデジタル広告が、実際の「来店・来場などのオフライン行動」や「ブランド価値」にどのような影響を及ぼすか不明だったのを指標により評価する仕組みを構築することを目指しており、両社が保有する広告配信データ・リサーチデータ、O2Oデータなどを融合させる。

■公開価格目前で25日線から14%のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆

株価は、昨年7月につけた上場来高値8620円から2860円まで調整し、マクロミルとの研究開発をポジティブに評価して3360円の戻り高値をつけたが再調整、上場来安値2160円と売られた。ただ同安値は、昨年6月の新規株式公開時の公開価格2000円目前で、25日移動平均線からも14%超のマイナスかい離となっており、下げ過ぎとして底上げ期待の買い物が続いている。一段の戻りにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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