【編集長の視点】No.1は続落も1Q赤字着地を織り込み連続過去最高の2月通期業績を見直し下値買いも継続

 No.1<3562>(JQS)は、前週末21日に42円安の2451円と続落して引けた。今年7月13日に発表し今2018年2月期第1四半期(2017年3月~5月期、1Q)決算が、新規採用、人材育成費用の前倒し計上で小幅赤字で着地したことが響き300円超幅の調整を続けたものだが、株価水準は、今年4月13日につけた上場来安値2390円目前となって織り込み済み、下げ過ぎとして、同社の今2月期通期業績が連続して過去最高を更新すると予想されていることを見直し、直近IPO(新規株式公開)株買いの再燃を期待する下値買いも増加に転じた。今年6月20日に公表した中期経営計画に沿って業績成長率のアップを図ることや、今年5月の身代金を要求する世界的なサイバー攻撃(ランサムウェア)続発に際して、同社株が、情報セキュリティー関連株の一角として短期に37%高した急騰特性を秘めていることも、買い手掛かりとなっている。

■今年4月リリースのランサムウェア対策向けの自社企画サーバーなども寄与

 今期1Q業績は、四半期決算が初作成となるため前年同期との比較はなく、売り上げが18億600万円、営業利益が2500万円の赤字、経常利益が4100万円の赤字、純利益が2900万円の赤字で着地した。同社は、「日本の会社を元気にするNo.1のビジネスパートナー」としてオフィスコンサルティング事業とシステムサポート事業とを展開しており、オフィスコンサルティング事業では、今年4月にランサムウェア対策を施した自社企画商品のサーバー「NWS-2T100ESⅡ」をリリースするなど情報セキュリティ商品の販売に注力するとともに、既存のMFPやビジネスフォンも底堅く推移し、システムサポート事業でも情報セキュリティ商品の保守やオフィス通販が堅調に推移しており、売り上げは、今2月期通期売り上げに対して24.2%と目安の25%をほぼクリアした。ただ利益は、期初計画通り新規採用者の積極的な登用や人材育成に注力して人件費が増加、前倒し計上となったことで小幅赤字となった。

 今2018年2月期業績は、期初予想に変更はなく、売り上げ74億3700万円(前期比5.4%増)、営業利益3億3000万円(同8.8%増)、経常利益3億1100万円(同7.2%増)、純利益2億300万円(同6.7%増)と見込み、連続して過去最高を更新する。なお中期経営計画では、既存事業の売り上げ増加に加えて、市場拡大が続く情報セキュリティ機器、防犯セキュリティ商品などに自社企画商品を投入し最終年度の2019年2月期の業績目標数値として売り上げ81億円、営業利益4億円、経常利益3億9100万円、純利益2億5900万円を目指している。

■PERは17倍台と「陰の極」を示唆し急騰特性再現で5月の戻り高値にキャッチアップ

 株価は、今年3月のIPO時の公開価格1570円に対して、3460円で初値をつけストップ高を交えて上場来高値4135円まで買い進まれ公開価格比2.63倍の大化けを演じた。最高値後は、政学的リスクなどを背景にした全般波乱相場に影響されて上場来安値2390円へ突っ込んだが、世界的なサイバー攻撃続発に伴う関連株買いでわずか1週間余で戻り高値3455円へ900円高する急騰特性を発揮した。足元では、1Q小幅赤字業績が響き上場来安値まであと60円となる株価水準まで下ぶれたが、PERは17倍台とジャスダック市場平均の18倍台を下回り売られ過ぎ、「陰の極」を示唆しており、売買高が増加に転じてきたここからまず5月につけた戻り高値3455円へキャッチアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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