【編集長の視点】ソレイジアは続落も「エピシル」の製造販売承認を見直し後続パイプライン期待でバイオ株買いが再燃余地

 ソレイジア・ファーマ<4597>(東マ)は、前日25日に6円安の389円と小幅続落して引けた。前日の日経平均株価が、2日連続で心理的なフシ目の2万円台を下回ったことから、同社株も目先の利益を確定する売り物に押された。ただ同社は、今年7月6日にがん化学療法、放射線療法誘発性口内炎の疼痛緩和の医療機器「SP-03、エピシル」の国内製造販売承認取得を発表し、なお開発中のパイプラインで日本、中国で製造販売承認を申請中の新型薬品が控えていることから、バイオ株買いの再燃を期待する下値買いも続いた。テクニカル的にも、400円台を出没する三角保ち合いを1カ月弱継続し、25日移動平均線から8%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、保ち合い上放れ時期が近いとの観測も強めている。

■「SP-01」は2014年6月に中国で申請完了済みで「SP-02」は第Ⅱ相臨床試験

 「エピシル」は、がん治療に伴う化学療法剤や放射線照射により口腔粘膜や唾液腺組織に生じる口内炎に処方され、口腔粘膜を覆う強固な生体接着保護膜を形成、患部を物理的に保護し、数分後には口腔内の疼痛を緩和しその効果が8時間程度持続する。2016年5月に中国当局、2016年10月に日本当局にそれぞれ製造販売承認を申請完了済みで審査中だったが、このうち今回、国内で製造販売承認を取得し、今後、保険収載を経て国内独占販売権の導出先のMeiji Seika ファルマから販売される。

 同薬に先立って同社は、がん化学療法剤投与に伴う悪心・嘔吐予防の経皮吸収型製剤「SP-01」を2014年6月に中国当局に申請完了済みで承認審査中で、今12月期にも承認取得見込みにある。さらに開発中のバイプラインとして、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫治療薬「SP-02」が、承認申請の前段階の最終試験の国際共同第Ⅱ相臨床試験を2016年3月から日本、韓国、台湾、香港で実施中で、有望新薬がいよいよ業績寄与段階に入ってくる。

 今12月期業績は、このパイプラインの開発体制の強化負担や販売開始のための準備費用が重なって売り上げ4億2300万円(前期比15.6%減)、営業利益17億8700万円の赤字(前期は4億6200万円の赤字)、税引前利益17億9300万円の赤字(同4億9400万円の赤字)、純利益17億9800万円の赤字(同4億7400万円の赤字)と連続の水面下推移を見込んでいる。ただ、今回の「エピシル」の製造販売承認取得などから業績が大きく浮上する可能性も強まってくる。

■25日線から8%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆し三角保ち合いを上放れ

 株価は、今年3月に185円の公開価格でIPOされ234円で初値をつけ、いったん下ぶれた上場来安値219円から連続ストップ高を交えて上場来高値652円まで急騰した。同最高値後に下ぶれた478円安値から566円へストップ高して604円の戻り高値をつけ、332円の2番底まで突っ込んだ。同安値からは、7月の「エピシル」の製造販売承認取得で再度、ストップ高して423円高値をつけ400円台を出没する三角保ち合いを続けた。25日線からは8%超の下方かい離で下げ過ぎを示唆しており、バイオ株特有の逆行高習性も発揮してリバウンド、まず7月高値423円抜けから500円台を奪回し、上場来高値へのキャッチアップに期待をつなごう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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