【どう見るこの相場】円高や政治リスクを警戒して膠着、好決算銘柄の個別物色

どう見るこの相場

■円高や政治リスクを警戒して膠着相場が継続

 今週7月31日~8月4日の株式市場は、為替のドル安・円高や日米における政治リスクなどが警戒されて膠着相場が継続しそうだ。4~6月期決算発表で好決算銘柄の個別物色だが、主力銘柄の決算が好感されるかどうかが注目される。

 前週7月24日~28日は全体として膠着感の強い展開が継続した。また26日の米FOMC(連邦公開市場委員会)声明発表後には、為替が1ドル=110円台までドル安・円高方向に傾く場面があり、日経平均株価は調整色を強めて週末28日の終値は2万円台を割り込んだ。

 今週も為替のドル安・円高、日米における政治リスク、さらに地政学リスクなどが警戒されて膠着相場が継続しそうだ。8月4日発表予定の米7月雇用統計については6月よりも弱い結果が予想されている。7月26日の米FOMC声明を受けて市場は追加利上げ観測後退に傾いた形だが、8月1日の米7月ISM製造業景況指数、2日のADP雇用リポート、および4日の米7月雇用統計などの主要経済指標の結果に対して、米10年債利回りが上昇するか低下するかが焦点となりそうだ。

■好決算の個別物色が中心だが、主力銘柄の決算に注目

 日本でも4~6月期決算発表が本格化している。好決算に対して素直に反応するとは限らず、好決算でも売りを浴びせられる銘柄もあり、相変わらず市場の初期反応は見極めづらい状況だ。市場予想を上回る好業績や上方修正などの好材料が出た銘柄の個別物色が中心となるが、主力銘柄の決算が好感されるかどうかが注目される。

 なお決算発表銘柄に関しては、好業績でも発表直後に急落するという決算発表シーズン特有の仕掛け的な動きに注意が必要となることは頭に入れておきたい。またテーマ性などで買われてきた中小型株については、決算発表を機に材料出尽くしとして資金の逃げ足が加速する可能性にも注意しておきたい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■更新前のスーパーコンピュータの約4倍の計算能力  富士通<6702>(東証プライム)は2月21日…
  2. ■両社の資源を有効活用しSDGsに貢献  伊藤忠商事<8001>(東証プライム)グループのファミリ…
  3. ■純正ミラーと一体化し、左後方の視界を広げる  カーメイト<7297>(東証スタンダード)は、純正…
2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■投資と貯蓄の狭間で・・・  岸田内閣の「資産所得倍増プラン」は、「貯蓄から投資へ」の流れを目指し…
  2. ■「ノルム(社会規範)」解凍の序章か?植田新総裁の金融政策正常化  日本銀行の黒田東彦前総裁が、手…
  3. ■「日経半導体株指数」スタート  3月25日から「日経半導体株指数」の集計・公表がスタートする。東…
  4. ■投資家注目の適正株価発見ツール  日銀の価格発見機能が不全になる可能性がある中、自己株式取得が新…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る