巴工業は調整一巡感、17年10月期通期予想に増額余地で低PBRも見直し

 巴工業<6309>(東1)は遠心分離機械などの機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などの化学工業製品販売事業を主力としている。17年10月期営業減益予想だが、第2四半期累計が大幅増益だったことを考慮すれば、通期予想に増額余地がありそうだ。株価は戻り高値圏でモミ合う形だが調整一巡感を強めている。低PBRも見直して3月の年初来高値を試す展開が期待される。

■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開

 遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を2本柱として、中国・深圳ではコンパウンド加工事業も展開している。

■17年10月期通期営業減益予想だが増額余地

 今期(17年10月期)通期の連結業績予想(4月20日に売上高を減額、利益を据え置き)は、売上高が前期(16年10月期)比3.1%増の404億円、営業利益が9.1%減の17億90百万円、経常利益が横ばいの17億80百万円、純利益が21.8%増の11億80百万円としている。配当予想は前期と同額の年間45円(第2四半期末22円50銭、期末22円50銭)で、予想配当性向は38.1%となる。

 化学工業製品販売事業は収益性の良い商材の販売が伸長するが、機械製造販売事業は売上減少に伴って利益減少が見込まれ、営業減益予想としている。営業外での為替差損および特別損益は見込んでいない。

 ただし第2四半期累計(11月~4月)は前年同期比1.3%減収、16.2%営業増益、32.8%経常増益、32.1%最終増益だった。そして通期会社予想に対する進捗率は売上高が48.5%、営業利益が59.6%、経常利益が58.8%、純利益が56.6%と高水準である。通期会社予想には保守的な印象が強く、増額余地がありそうだ。

■株価は低PBRも見直して3月の年初来高値試す

 株価は戻り高値圏1800円台でモミ合う形だが、徐々に下値を切り上げて調整一巡感を強めている。

 8月2日の終値1820円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS118円25銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は2.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2522円81銭で算出)は0.7倍近辺である。なお時価総額は約192億円である。

 週足チャートで見ると上向きに転じた13週移動平均線が下値を支える形となり、26週移動平均線突破の動きを強めている。0.7倍近辺の低PBRも見直して3月の年初来高値1974円を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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