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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】セキドは下値固め完了感、16年2月期収益改善期待で反発のタイミング
- 2015/2/17 07:50
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ファッション専門店チェーンのセキド<9878>(東2)の株価は、今期(15年2月20日期)業績と配当予想の減額修正を嫌気して安値圏で推移しているが、130円近辺で下値固め完了感を強めている。訪日外国人旅行客のインバウンド消費や低PBRも評価材料であり、来期(16年2月20日期)の収益改善期待で反発のタイミングだろう。
12年10月に家電の店舗販売事業から撤退してファッション専門店事業に経営資源を集中した。海外ブランド品などを扱うファッション専門店「GINZA LoveLove」「スーパーセレクトショップラブラブ」を直営で展開している。前期(14年2月20日期)末の店舗数は首都圏中心に24店舗である。
中期成長戦略として「GINZA LoveLove」のブランディング戦略強化を掲げ、高額のナショナルブランド品、中・低価格帯のプライベートブランド(PB)品、アウトレットブランド品の品揃えを強化している。さらに収益力改善に向けて、新規出店と既存店リニューアル、ネット通販の強化、滞留期間短縮による商品在庫の鮮度アップ、売れ筋商品の機会ロス低減、店舗運営の効率化などへの取り組みを強化している。
ネット通販についてはストリーム<3071>と業務提携している。さらに今後の事業展開として小売法人向け商品供給や販売業務委託を強化する方針を打ち出している。
14年7月にはラオックス<8202>と業務提携した。当社がラオックスに対して高級ブランド品(バッグ・財布など)を提供し、ラオックスが当社に対して高級時計を中心とした宝飾品を供給する。相互の効率的な商品供給体制を確立して販売増につなげる戦略だ。
今期(15年2月20日期)の業績(非連結)見通し(12月30日に減額修正)は、売上高が前期比13.5%減の103億円、営業利益が6億60百万円の赤字(前期は89百万円の黒字)、経常利益が7億20百万円の赤字(同97百万円の黒字)、純利益が7億円の赤字(同1億07百万円の黒字)、配当予想は無配(前期は年間1円)としている。
第3四半期累計(2月21日~11月20日)は、消費マインド低下や天候不順の影響などで前年同期比19.0%減収となり、営業利益、経常利益、純利益とも前年同期に比べて赤字幅が拡大した。さらに来期(16年2月20日期)の商品戦略に向けた滞留在庫処分に伴って損失を計上する見通しだ。
今期の収益は大幅に悪化するが、来期は消費増税や天候不順の影響が一巡する。さらに収益改善に向けて、DMや催事による販促強化、小売法人向けの商品供給や販売委託の強化、売上総利益率の改善、人件費や広告宣伝費の見直しによる効率化を推進する。ラオックスとの業務提携により、訪日外国人旅行客のインバウンド消費の取り込みも強化する。来期の収益改善が期待されるだろう。
株主優待については、毎年2月20日および8月20日現在で1000株以上所有株主に対して実施している。優待内容は、1000株以上所有株主に対して一律「株主ご優待券5%割引券」5枚、3000株以上所有株主に対して「1000株あたり500円のお買い物券+株式数に応じたお買い物券」を贈呈している。さらに2年以上継続保有の株主に対しては「お買い物券」が上乗せされる(詳細は会社ホームページ等で確認)。
株価の動きを見ると、1月21日と22日に144円まで切り返す場面があったが買いが続かず、今期業績と配当予想の減額修正を嫌気する形で、安値圏で推移している。ただし130円台を維持して下値固め完了感も強めてきた。減額修正を嫌気した売りが一巡した可能性があるだろう。
2月16日の終値132円を指標面で見ると、前期実績PBR(前期実績のBPS260円59銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線も割り込んで調整局面だが、130円近辺で下値固めの動きを強めている。訪日外国人旅行客のインバウンド消費や低PBRも評価材料であり、来期の収益改善期待で反発のタイミングだろう。