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ソフトクリエイトホールディングスは高値圏モミ合い上放れ期待、18年3月期第1四半期2桁増収増益で通期も増収増益予想
- 2017/8/4 08:10
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ソフトクリエイトホールディングス<3371>(東1)は、ECサイト構築ソフトや不正接続防止製品を主力としてソリューション事業を展開している。18年3月期第1四半期は2桁増収増益だった。ネット通販市場やクラウドサービス市場の拡大を背景として通期も増収増益予想である。8月1日には新たな自己株式取得を発表した。株価は上場来高値圏でモミ合う形だが、好業績や自己株式取得を評価して上放れの展開が期待される。
■ECサイト構築ソフトと不正接続防止製品で首位
ECソリューション事業(ECサイト構築パッケージソフト「ecbeing」の販売・保守から、ECサイト構築・運用支援、データセンターでのホスティングサービス提供、ECプロモーション提供までの総合サービス)を主力として、SI事業(自社グループ開発ソフトの販売、基幹系システムの受託開発)および物品販売事業(法人向けIT機器販売など)も展開している。
顧客のEC事業立ち上げ時の戦略コンサルティングから、ECサイト構築パッケージソフト「ecbeing」の販売・カスタマイズ・保守、ECサイト構築・運用支援、さらにリスティング広告・SEO対策などのプロモーションサービスまで、総合的なサービスを提供していることが強みだ。ECサイト構築実績は中堅・大手企業向け中心に国内首位である。そしてECサイト構築実績の積み上げに伴う運用支援・保守などストック型収益が拡大基調である。
SI事業では、社内ネットワークへの不正接続を検知するセキュリティ製品「L2Blocker」が、富士キメラ総研「富士マーケティング・レポート・情報漏洩対策需要に湧く不正接続防止ツール市場」において、不正接続防止ツール市場における累計導入社数で第1位を獲得している。
17年3月期のセグメント別売上構成比はECソリューション事業47%、システムインテグレーション事業24%、物品販売事業29%だった。収益面ではシステム構築関連のため、年度末にあたる第4四半期(1月~4月)の構成比が高い特性がある。また連結子会社エイトレッド<3969>が16年12月東証マザーズに新規上場した。
■中期成長戦略でeビジネス総合デベロッパー目指す
中期成長戦略としてはECシステム提供企業にとどまらず、eビジネス総合デベロッパーへの発展を目指してソリューション事業を強化している。またインターネット広告や運用支援などデジタルマーケティング市場にも積極展開してビジネス領域を拡大している。
新製品・サービスも積極投入している。17年3月には子会社のソフトクリエイトが、情報システム部門の業務全般をサポートするITアウトソーシングサービスを強化するため「STRUST」を開始した。
■18年3月期第1四半期は2桁増収増益
8月1日発表した今期(18年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.6%増の34億44百万円、営業利益が12.3%増の2億86百万円、経常利益が19.9%増の3億30百万円、純利益が21.3%増の2億16百万円だった。
ECサイト構築パッケージソフト「ecbeing」を活用したECソリューション事業が順調に拡大し、セキュリティビジネスや独自サービス「SCクラウド」も拡大した。人材投資に伴う費用増加などを吸収して2桁増収増益だった。売上総利益は12.2%増加したが、売上総利益率は29.7%で0.1ポイント低下した。販管費は12.1%増加したが、販管費比率は21.4%で0.1ポイント低下した。営業外では為替差損益が改善した。
セグメント別には、ECソリューション事業の売上高が9.6%増の15億17百万円で営業利益(連結調整前)が27.5%増の3億31百万円、システムインテグレーション事業の売上高が25.2%増の9億02百万円で営業利益が27.0%増の2億31百万円、物品販売事業の売上高が7.5%増の10億24百万円で営業利益が64.7%減の3百万円だった。
■18年3月期通期も増収増益予想
今期(18年3月期)連結業績予想(5月9日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比10.8%増の152億08百万円、営業利益が3.8%増の16億03百万円、経常利益が3.3%増の16億73百万円、純利益が1.9%増の10億29百万円としている。配当予想は前期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で予想配当性向は26.6%となる。
ECソリューション事業では、EC市場およびインターネット広告市場の拡大を背景として、ネット通販サイト構築需要やインターネット広告需要が拡大する。システムインテグレーション事業では、企業のセキュリティ対策・IT投資意欲の高まりやクラウドサービス市場の拡大を背景として、クラウドサービス需要が好調に推移する見込みだ。
コスト面では製品機能充実のための費用、知名度向上のための広告宣伝費、新卒社員の積極採用に伴う採用費や人件費が増加するが、増収効果で吸収する。ECサイト累計構築数は増加基調のためストック型収益も拡大基調だ。国内首位のECサイト構築実績を武器として好業績が期待される。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高22.6%、営業利益17.8%、経常利益19.7%、純利益21.0%である。やや低水準の形だが第4四半期の構成比が高い収益特性のためネガティブ要因とはならない。通期ベースでも好業績が期待される。
■株主優待制度は3月末と9月末の年2回実施、長期保有優待制度を拡充
株主優待制度は毎年3月31日および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。
優待内容は保有株数に応じてオリジナルQUOカードを贈呈する。2年超の継続保有株主に対しては長期保有優待制度も実施している。また17年6月開催の定時株主総会からお土産を取りやめたことに伴い、新たな還元策として長期保有優待制度を拡充して17年3月末から新制度を適用した。
■新たな自己株式取得を実施
6月12日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限13万3000株、取得価額総額の上限2億円、取得期間17年6月13日~17年7月31日)は、7月31日時点の累計で取得株式総数12万4000株、取得価額総額1億7906万2200円となって終了した。
8月1日には新たな自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限13万3000株、取得価額総額の上限2億円、取得期間17年8月2日~17年9月30日としている。
■株価は上場来高値圏モミ合いから上放れ期待
株価は上場来高値圏1400円~1500円近辺でモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。8月2日には1512円まで上伸して6月の上場来高値1527円に接近した。
8月3日の終値1485円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS75円26銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS586円34銭で算出)は2.5倍近辺である。時価総額は約205億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。好業績や自己株式取得を評価して上放れの展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)