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うかいは99年来の高値圏、18年3月期減益予想だが既存店売上好調で上振れ余地
- 2017/8/17 06:14
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
うかい<7621>(JQ)は飲食事業(高級和食・洋食料理店)を主力として、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。18年3月期第1四半期は増収増益だった。通期は事業拡大に向けた人材確保や新店開業費用などで減益予想だが、既存店売上が好調に推移して上振れ余地がありそうだ。株価は15年高値を突破して99年来の高値圏だ。上値を試す展開が期待される。
■高級和食・洋食料理店が主力
飲食事業(高級和食・洋食料理店)を主力として、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。17年3月期売上高構成比は飲食事業90%(和食46%、洋食42%、物販3%)、文化事業10%だった。収益面では第3四半期の構成比が高い特性がある。
中長期成長戦略として「更なるブランドの構築」をテーマとして、既存店の研鑽、飲食の成長、物販の成長に取り組んでいる。
17年2月には新業態店舗「ル・プーレ ブラッスリーうかい」を東京・大手町パークビルディングにオープン、17年7月には洋菓子店「アトリエうかい」をJR東日本品川駅構内のエキナカ商業施設「エキュート品川」にオープンした。
今後の新規出店としては、18年春東京都港区六本木に「仮称:六本木うかい亭」と「仮称:ROPPONGI kappou ukai」の2店舗を同時出店、また洋菓子店「アトリエうかい」を17年秋開業予定の京王線調布駅直結商業施設「トリエ京王調布」にオープン予定である。
海外については13年5月、台湾・高雄市FIHリージェントグループホテル内レストランのコンサルティング契約を締結して海外初出店を決定し、17年7月にソフトオープンした。
■18年3月期1Qは増収増益
今期(18年3月期)第1四半期(4月~6月)の非連結業績は、売上高が前年同期比5.2%増の32億89百万円、営業利益が9.2%増の1億32百万円、経常利益が14.5%増の1億23百万円、そして純利益が15.3%増の77百万円だった。
事業本部(旧飲食事業)の既存店が好調に推移して増収増益だった。売上総利益は5.1%増加し、売上総利益率は53.7%で横ばいだった。販管費は4.8%増加したが、販管費比率は49.6%で0.2ポイント低下した。
セグメント別に見ると事業本部は売上高が5.7%増の30億15百万円で営業利益(連結調整前)が7.0%増の3億77百万円、文化事業は売上高が0.4%増の2億74百万円で営業利益が0百万円の赤字(前年同期は7百万円の黒字)だった。
■18年3月期通期減益予想だが既存店売上好調で上振れ余地
今期(18年3月期)通期の非連結業績予想(5月18日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比2.6%増の129億円、営業利益が41.5%減の2億66百万円、経常利益が45.8%減の2億25百万円、純利益が52.2%減の1億15百万円としている。配当予想は前期と同額の年間18円(期末一括)で、予想配当性向は80.9%となる。
17年2月オープンの新業態店舗「ル・プーレ ブラッスリーうかい」や物販の新規出店も寄与して増収だが、事業拡大に向けた人材確保や新店開業費用などで減益予想としている。
ただし通期予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が25.5%、営業利益が49.6%、経常利益54.7%、純利益67.0%と高水準である。また飲食事業の月次売上状況(アトリエうかい店頭販売含む)を見ると、既存店売上高は17年4月105.0%、5月103.4%、6月105.0%、7月104.3%と好調に推移している。既存店の好調で通期業績予想に上振れ余地がありそうだ。
■株主優待制度は毎年9月末に実施、優待内容を一部変更
株主優待制度は毎年9月中間期末時点の株主を対象として実施している。優待内容は8月4日に一部変更を発表した。17年9月末から実施する。
■株価は99年来の高値圏
株価は15年6月高値3220円を突破して8月16日には3300円まで上伸した。99年来の高値圏だ。
8月16日の終値3290円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS22円24銭で算出)は148倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は0.5%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS923円97銭で算出)は3.6倍近辺である。時価総額は約172億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドである。上値を試す展開が期待され、99年高値3520円が視野に入る。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)