【業績でみる株価】綜研化学は年初来高値に接近、18年3月期1Qが大幅増益で通期予想は増額の可能性

 アクリル樹脂原料の粘着剤を主力とする化学メーカーである綜研化学<4972>(東1)は、液晶パネルや自動車向けを中心として幅広い用途に展開している。18年3月期第1四半期は大幅増益だった。通期は減益予想だが増額の可能性が高いだろう。株価は1月の年初来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。1700円台のフシを突破すれば上げ足を速める可能性がありそうだ。

■18年3月期1Q大幅増益、通期予想は増額の可能性

 18年3月期第1四半期(4月~6月)連結業績は、売上高前年同期比5.5%増の63億23百万円となり、営業利益が22.0%増の5億80百万円、経常利益が54.6%増の5億50百万円、純利益が77.6%増の4億20百万円だった。

 ケミカルズ部門が5.7%増収と好調に推移した。製品別に見ると、粘着剤関連製品は液晶ディスプレイ関連用途向けや建材・自動車分野の一般用途向け販売数量増加で7.4%増収、微粉体製品は情報記録材料用途向け減少で6.0%減収、特殊機能材製品は中国市場における電子材料用途向け販売数量増加で15.0%増収、加工製品は中国市場における機能性粘着テープの家電用途向け販売数量増加で2.1%増収だった。装置システム部門は3.1%増収だった。

 通期の連結業績予想は売上高が17年3月期比3.3%増の270億円、営業利益が16.9%減の19億円、経常利益が5.6%減の18億円、純利益が3.2%減の13億円としている。

 減益予想だが、通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が23.4%、営業利益が30.5%、経常利益が30.6%、純利益が32.3%と高水準である。液晶ディスプレイ関連や自動車関連の好調が牽引して、通期予想は増額の可能性が高いだろう。

■株価は年初来高値に接近、フシ突破すれば上げ足速める可能性

 株価は水準を切り上げて8月17日に1695円まで上伸した。そして1月の年初来高値1706円に接近している。週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。1700円台のフシを突破すれば、08年来の高値圏となって上げ足を速める可能性がありそうだ。(MM)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る