- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- 【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ミロク情報サービスは高値更新の展開、中期成長力を評価して上値追い
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ミロク情報サービスは高値更新の展開、中期成長力を評価して上値追い
- 2015/2/19 07:17
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
財務・会計ソフトのミロク情報サービス<9928>(東1)の株価は14年10月644円を突破して高値更新の展開となった。1月27日には710円まで上値を伸ばした。その後は上げ一服の形だが自律調整の範囲だろう。今期(15年3月期)好業績見通しや中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。
会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。
会計事務所が抱えている課題を解決することで中堅・中小企業支援にも繫がるトータルソリューションが強みで、システム導入契約売上とサービス収入が収益柱である。全国約8400の会計事務所ユーザーおよび約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、サービス収入などのストック型収益構造を特徴としている。13年10月には連結会計システム開発のプライマルと資本・業務提携し、連結会計や連結納税までグループ経営支援ソリューションの提供を強化した。
14年5月に発表した第3次中期経営計画(15年3月期~17年3月期)では目標数値として17年3月期売上高260億円、経常利益40億円、純利益24億50百万円、売上高経常利益率15%、ROE15%を掲げている。
重点戦略として、顧客基盤拡大に向けた販売戦力増強と販路拡大(市場ポテンシャルに合わせた人的リソース配分適正化、販社M&Aも活用したエリア拡大、顧客サポート体制と経営情報サービスの充実など)、新規顧客を創造する新製品・サービス開発(マルチデバイス対応のクラウドサービスなど)、新規事業による新たな収益基盤確立(利益率向上に向けた事業ポートフォリオ再設計、中小企業の事業再生支援サービスへの参入など)を推進している。
新規事業では、登録会員数約130万人の中小・ベンチャー企業支援ビジネス情報サイト「bizocean(ビズオーシャン)」のクラウド拡充とネットビジネスへの展開、マルチデバイス対応お金管理アプリ「マネトラ」による消費者間取引(CtoC)市場への参入、経済団体・FC企業への会計クラウドサービスの提供などを推進している。
14年5月に全国商工会連合会の会員事業者向け「会計・税務のクラウド型アプリケーションソフト」を開発し、8月にはソフトテックス社から完全Web対応クラウド販売管理システム「商い哲人EX」を譲り受けた。9月には中小企業の事業承継や事業再生を支援する子会社MJS・M&Aパートナーズを設立した。
10月にはCtoC向けクラウド型会計アプリ「フリビズbyマネトラ」の提供を開始した。また韓国の電子金融専門企業Webcash(ウェブキャッシュ)社と資本業務提携した。韓国Webcash社と日本法人(11月MWIに社名変更)の株式を取得し、新たなクラウドサービスを共同開発して日本国内で事業展開する。12月にはクラウド型POSシステムのオフィス24グループと業務提携した。
さらに15年1月には次世代サービス共同開発を目的として、次世代Web標準言語HTML5を活用したWebソリューション開発に強みを持つニューフォリアに出資して資本提携した。
なお1月30日には、Jリーグ「東京ヴェルディ」および女子チーム「日テレ・ベレーザ」と2015シーズンもメインパートナーシップ(スポンサー)契約を継続すると発表した。クラブ全体を支援するとともに、スポーツ界の発展に貢献することも目的の一つとしている。
2月3日に発表した今期(15年3月期)第3四半期累計(4月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.8%増の167億40百万円、営業利益が同15.1%増の17億58百万円、経常利益が同16.5%増の18億20百万円、純利益が同37.5%増の12億43百万円だった。
品目別売上状況は、システム導入契約売上高がユースウェアの好調などで同2.1%増収、サービス収入がソフト使用料収入や運用支援サービスの好調などで同8.4%増収だった。サービス収入の好調が牽引して差引売上総利益率は0.9ポイント上昇し、純利益は投資有価証券売却益の計上も寄与した。
なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)56億22百万円、第2四半期(7月~9月)56億41百万円、第3四半期(10月~12月)54億77百万円、営業利益は第1四半期5億96百万円、第2四半期7億06百万円、第3四半期4億56百万円だった。
通期の連結業績見通しについては2月3日、投資有価証券売却益2億25百万円の計上に伴い、前回予想(5月9日公表)に対して純利益を2億30百万円増額修正した。修正後の通期連結業績見通しは売上高が前期比2.3%増の225億90百万円、営業利益が同5.4%増の25億20百万円、経常利益が同4.8%増の25億40百万円、純利益が同25.3%増の17億40百万円としている。配当予想は前回予想(5月9日公表)を据え置いて前期と同額の年間15円(期末一括)としている。4期連続で最高益更新の見込みだ。
通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.1%、営業利益が69.8%、経常利益が71.7%、純利益が71.4%と概ね順調な水準である。会計事務所向けシステムや中堅・中小企業向けERPシステムの拡販、新規顧客の開拓、ソフト保守サービス契約率の上昇などでシステム導入契約売上、サービス収入とも好調な推移が予想される。ストック型収益構造であり中期的にも収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、600円近辺でのモミ合いから上放れ、14年10月644円を突破して高値更新の展開となった。1月27日には710円まで上値を伸ばした。その後は上げ一服の形だが自律調整の範囲だろう。
2月18日の終値665円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS55円57銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は2.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS402円29銭で算出)は1.7倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。日足チャートで見るとサポートラインの25日移動平均線が接近して切り返しのタイミングのようだ。今期好業績見通しや中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。