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ピックルスコーポレーションは調整一巡、18年2月期野菜価格上昇懸念だが中期成長シナリオに変化なし
- 2017/8/30 08:17
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ピックルスコーポレーション<2925>(東2)は漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」ブランド力が向上し、惣菜分野への事業展開も加速している。18年2月期は野菜価格上昇の影響が懸念されるが、中期成長シナリオに変化はないだろう。株価は6月の上場来高値から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開が期待される。
■漬物製品の最大手で「ご飯がススム キムチ」ブランド力向上
漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのブランド力向上とともに収益力が大幅に向上し、さらに新製品の積極投入、成長市場である惣菜製品の強化などを推進している。
17年2月期の品目別売上高構成比は自社製品61%(浅漬・キムチ42%、惣菜16%、ふる漬3%)、商品(漬物・調味料・青果物・その他)39%だった。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・コンビニが主要取引先である。
16年3月フードレーベルホールディングス(FLH)を子会社化、16年12月FLHの子会社フードレーベルがFLHを吸収合併してフードレーベルの株式を直接所有とした。また九州地区で事業拡大するため佐賀県に九州工場を新設(17年12月当該工場引き渡し予定)し、中国・四国・九州地区の事業を承継するためピックルスコーポレーション西日本を設立した。なお8月22日に、連結子会社である青果市場運営の県西中央青果(茨城県古河市)の株式全部を譲渡すると発表した。
■18年2月期は野菜価格上昇の影響懸念だが、中期成長シナリオに変化なし
今期(18年2月期)連結業績予想(4月11日公表)は、売上高が前期(17年2月期)比4.0%増の372億32百万円、営業利益が77.0%増の13億81百万円、経常利益が67.2%増の14億51百万円、純利益が75.7%増の9億63百万円としている。なお県西中央青果の株式譲渡に伴って個別業績予想を修正したが、連結業績予想への影響は軽微としている。
第1四半期(3~5月)が天候不順による白菜価格上昇の影響で減益となり、通期も東日本の日照不足などによる野菜価格上昇の影響が懸念されるが、主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのリニューアルや新製品開発、既存取引先への拡販や新規取引先の開拓、西日本エリアでの生産能力増強や営業強化、契約栽培拡大など原料野菜の安定調達、原材料購買方法の見直し、市場規模が大きい惣菜分野への事業展開加速など、中期成長シナリオに変化はないだろう。
■株価は調整一巡して戻り試す
株価は6月の上場来高値1881円から反落して水準を切り下げたが、1500円台で下げ渋る動きだ。
8月29日の終値1579円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS164円95銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1587円08銭で算出)は1.0倍近辺である。時価総額は約101億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)