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フライトホールディングスは電子決済ソリューションが牽引して中期収益拡大期待
- 2017/8/31 06:21
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
フライトホールディングス<3753>(東2)は電子決済ソリューションを主力としている。18年3月期第1四半期は大幅増収で黒字化した。通期は大型案件の反動で減収減益予想だが、中期的には電子決済ソリューションが牽引して収益拡大が期待される。株価は調整一巡感を強めている。
■システム開発や電子決済ソリューションなどを展開
傘下のフライトシステムコンサルティングがシステム開発・保守などのコンサルティング&ソリューション(C&S)事業、および電子決済ソリューションなどのサービス事業、イーシー・ライダーがB2B向けECサイト構築パッケージなどのECソリューション事業を展開している。
17年3月期のセグメント別売上高構成比は、C&S事業が23%、サービス事業が74%、ECソリューション事業が3%だった。収益面ではサービス事業における大型案件によって変動する特性が強い。
■C&S事業はPepper関連を強化
C&S事業では、ソフトバンクロボティクスの人型ロボットPepperの法人モデル「Pepper for Biz」に関して、17年2月新サービスとして、コンテンツマネージメントソリューション「Scenaria」をジエナ社と共同開発した。そしてロボアプリ開発者を支援する「Pepperパートナープログラム」において「ロボパートナー」認定を取得している。またソフトバンクと日本IBMが共同で行う「IBM Watson エコシステムプログラム」に参画し、ビジネスおよびテクノロジーパートナーに選定されている。
■電子決済ソリューションはマルチ決済端末など展開
電子決済ソリューション事業では、スマートデバイス決済専用マルチ電子決済端末「incredist」と、スマートデバイス決済専用アプリ「ペイメント・マイスター」を展開し、電子決済事業に関して複数暗号鍵の切り替えに関する特許、無線を使った複数機器の設定に関する特許、複数加盟店の切り替えに関する特許を取得している。
スマートデバイス決済専用アプリ「ペイメント・マイスター」は、iPhoneやiPadをクレジットカード決済端末に利用する大企業向け国内初のBtoB決済ソリューションである。10年9月に提供開始し、高級ホテル・レストラン・観光タクシー・旅行代理店など幅広い業種に導入されている。
16年3月スマートデバイス決済専用マルチ電子決済端末の新製品「incredist premium」の日本国内での販売を開始した。磁気クレジットカード、接触型ICクレジットカード(EMV)、非接触型ICクレジットカード(コンタクトレスEMV)、および日本独自の電子マネーに対応した決済端末である。米国ではセキュリティー基準審査を依頼中であり、審査が終了次第、米国子会社FLIGHT SYSTEM USAを通じて米国での販売を開始する。
16年8月には「incredist premium」の電子マネー対応第一弾としてNTTドコモ<9437>の後払い電子マネー「iD」がサービスインした。
また「incredist premium」は、16年12月Mastercard、VISA、AmericanExpressのコンタクトレスEMV(ICカード国際規格EMV技術を用いた非接触IC決済対応のクレジットカード)に関するブランド認定を取得、17年5月JCBのコンタクトレスEMVのブランド認定を取得、17年6月DiscoverのコンタクトレスEMVのブランド認定を取得、中国銀聯のコンタクトレスEMVのブランド認定を取得した。
■18年3月期1Qは大幅増収で各利益とも黒字化
今期(18年3月期)第1四半期(4~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.0倍の6億05百万円、営業利益が66百万円の黒字(前年同期は1億03百万円の赤字)、経常利益が72百万円の黒字(同1億15百万円の赤字)、純利益が57百万円の黒字(同1億16百万円の赤字)だった。
サービス事業において既存の大口顧客向け「incredist」追加納品を売上計上して大幅増収となり、各利益とも黒字化した。
セグメント別(連結調整前)動向を見ると、C&S事業は売上高が5.8%増の1億32百万円で営業利益が15百万円の赤字(同6百万円の赤字)だった。サービス事業は売上高が7.6倍の4億46百万円で、業利益が1億68百万円(同30百万円の赤字)だった。ECソリューション事業は売上高が25.8%増の23百万円で営業利益が6百万円の赤字(同0百万円の赤字)だった。
■18年3月期通期は大型案件の反動で減収減益予想
今期(18年3月期)連結業績予想(5月15日公表)は売上高が前期(17年3月期)比20.7%減の25億円、営業利益が56.0%減の2億60百万円、経常利益が56.2%減の2億50百万円、純利益が50.9%減の2億円としている。配当は無配継続としている。
前期計上の大型案件の反動で減収減益予想である。第1四半期はサービス事業において大口顧客向け追加納品を計上したが、通期ベースでは顧客の導入スケジュールが流動的としている。中期的には電子決済ソリューションが牽引して収益拡大が期待される。
■株価は調整一巡して反発期待
株価は水準を切り下げてやや軟調展開だが、8月1日の年初来安値870円から切り返しの動きを強めている。
8月30日の終値963円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS21円15銭で算出)は46倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS75円94銭で算出)は13倍近辺である。時価総額は約91億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。調整一巡して反発が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)