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アンジェスは日柄調整一巡感、HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)の年内承認申請目指す
- 2017/8/31 06:18
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
アンジェス<4563>(東マ)(アンジェスMGが7月1日付で商号変更)は、遺伝子治療薬、核酸医薬、DNAワクチンの開発を推進している。重症虚血肢を対象とするHGF遺伝子治療薬は6例目の観察期間が終了し、国内で年内の承認申請を目指している。株価は日柄調整一巡して上値を試す展開が期待される。
■HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)などの開発を重点推進
7月31日に開発プロジェクトの位置付けを発表した。重点的に推進するプロジェクトは、重症虚血肢を対象とするHGF遺伝子治療薬、椎間板性腰痛症を対象とするNF-kBデコイオリゴDNA、高血圧を対象とするDNAワクチンとした。一方で中止・中断するプロジェクトは、リンパ浮腫を対象とするHGF遺伝子治療薬、固形がんを対象とするアロベクチンとした。
重症虚血肢を対象とするHGF遺伝子治療薬は、医師主導型臨床研究で予定していた6例の症例登録が17年5月完了した。そして8月1日には、6例目の被験者の投与後の観察期間が終了したと発表している。今後データの解析・評価を行い、国内で再生医療等製品として17年秋の国内承認申請を目指すとしている。
椎間板性腰痛症を対象とするNF-kBデコイオリゴDNAは、17年4月に米食品医薬品局(FDA)から新薬臨床試験開始届け(IND)の承認を取得した。カリフォルニア州立大学サンディエゴ校など、米国数ヶ所の施設において第1b相臨床試験を実施する予定で、17年後半の投与開始を目指している。
高血圧を対象としたDNAワクチンは、第1・2相臨床試験開始に向けて17年7月、オーストラリアの規制当局である薬品・医薬品行政局(TGA)に臨床試験届け(CTN)を提出した。17年後半の投与開始を目指している。
■17年12月期は赤字縮小予想
今期(17年12月期)第2四半期累計(1~6月)連結業績は売上高が1億69百万円、営業利益が17億02百万円の赤字、経常利益が16億98百万円の赤字、純利益が22億99百万円の赤字だった。前年同期との比較で赤字が縮小した。
通期の連結業績予想は売上高が3億60百万円、営業利益が34億円の赤字、経常利益が34億円の赤字、純利益が34億円の赤字としている。前期との比較で赤字が縮小する見込みだ。
■株価は日柄調整一巡して上値試す
なお17年1月発行の第29回新株予約権(第三者割当、行使価額修正条項付、総数8万個=800万株)は6月13日をもって全新株予約権の権利行使が完了した。そして8月28日には第31回新株予約権(リーディング証券に対する第三者割当方式、行使価額修正条項付、総数12万個=1200万株)の発行を発表した。
株価は7月26日高値884円から反落したが、8月9日の529円から切り返して8月28日には760円まで上伸した。8月30日の終値は644円、時価総額は約506億円である。週足チャートで見ると13週移動平均線が接近して過熱感が解消した。日柄調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)