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トシン・グループは07年来高値圏、18年5月期横ばい予想だが低PBRや自己株式取得を評価
- 2017/9/4 07:24
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
トシン・グループ<2761>(JQ)は首都圏中心に電設資材などの卸売事業を展開している。18年5月期業績は横ばい予想だが保守的な印象も強い。株価は14年8月高値を突破して07年来高値圏だ。低PBRや継続的な自己株式取得を評価して上値を試す展開が期待される。
■首都圏中心に電設資材や住宅設備機器の卸売事業を展開
首都圏中心に電設資材や住宅設備機器などの卸売事業を展開している。小口多数販売、専門部署による得意先営業活動支援サービスなどを特徴とし、事業基盤強化や収益拡大に向けて、取扱商品や営業拠点網の拡充を推進している。
なお収益面では、新設住宅着工戸数など建設関連投資の動向が影響し、第4四半期(3月~5月)の構成比が高い特性がある。利益還元については、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保する一方で、財務状況、利益水準、配当性向などを総合的に勘案して、前年実績を下回らない安定した配当を実施することを基本方針としている。
■18年5月期は横ばい予想だが保守的な印象
今期(18年5月20日期)の連結業績予想(6月30日公表)は、売上高が前期(17年5月20日期)比0.2%増の435億円、営業利益が0.5%増の19億60百万円、経常利益が0.5%増の27億50百万円、純利益が0.4%増の17億60百万円としている。
他社との差別化の武器である「安心シリーズ」を有効に活用して販売力を強化する方針としている。横ばい予想だが保守的な印象も強い。配当予想は前期と同額の年間54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。
■継続的な自己株式取得で積極還元姿勢
自己株式取得の継続的な実施で株主還元姿勢を積極化している。16年8月9日発表の自己株式取得は17年7月31時点の累計で取得株式総数35万7100株、取得価額総額7億8491万2800円となって終了した。
17年8月17日には新たな自己株式取得を発表した。取得株式総数の上限50万株(自己株式除く発行済株式総数に対する割合5.9%)で、取得価額総額の上限が16億円、取得期間が17年8月18日~18年7月31日とした。そして8月31日に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で1300株取得した。
■株価は07年来高値圏、低PBRや自己株式取得を評価して上値試す
株価は8月17日に3290円まで上伸した。14年8月高値3145円を突破して07年来高値圏だ。
9月1日の終値3245円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS210円00銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間54円で算出)は1.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS4052円75銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約370億円である。
週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。低PBRや継続的な自己株式取得を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)