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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォメーションクリエーティブの第1四半期の営業減益に対する反応は限定的、1月高値試す
- 2015/2/20 07:22
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ソフトウェア開発やシステム運用のインフォメーションクリエーティブ<4769>(JQS)の株価は、1月の昨年来高値845円から反落して2月9日に776円まで調整したが、19日は800円台を回復して切り返しの動きを強めている。第1四半期(10月~12月)の営業減益に対する反応は限定的のようだ。戻り歩調に変化はなく、今期(15年9月期)増収増益見通しを再評価して1月高値を試す展開だろう。
ソフトウェア開発事業、システム運用事業、その他事業(パッケージ開発・販売)を展開し、顧客に常駐する型で情報サービス分野における総合的なソリューションサービスを提供している。顧客別に見ると日立システムズや日立ソリューションズなど、日立製作所<6501>グループ向けが全体の約6割を占めて収益源となっていることも特徴だ。
13年11月発表の新中期経営計画(14年9月期~16年9月期)では、基本戦略としてソフトウェア開発・システム運用などのITソリューション事業の安定成長、自社パッケージ開発・販売のITサービス事業の成長加速、強固な人材・組織基盤の構築を推進している。
経営目標値は16年9月期売上高80億円(ITソリューション事業76億円、ITサービス事業4億円)、売上高経常利益率8.0%を掲げ、長期ビジョンでは100億円企業、東証2部上場を目指している。
14年6月に美容室・サロン向けスマホアプリ制作サービス「LAPPLI(ラプリ)」をリリースし、11月には美容サロンの情報を無料掲載できる美容ポータルサイト「LAPOLU(ラポル)」を開始した。スマホアプリ制作サービス「LAPPLI」との機能連携強化や美容情報などのコンテンツ充実により、15年9月末までに500店舗のサービス利用を目指すとしている。
2月6日に発表した今期(15年9月期)第1四半期(10月~12月)の業績(非連結)は売上高が前年同期比6.0%増の15億97百万円、営業利益が同23.0%減の72百万円、経常利益が同18.1%減の81百万円、純利益が同4.8倍の50百万円だった。売上総利益率の低下、販管費の増加で営業減益だったが、売上面は好調に推移している。純利益は減損損失の一巡が寄与した。
通期の業績(非連結)見通しは前回予想(11月7日公表)を据え置いて、売上高が前期比10.1%増の71億34百万円、営業利益が同17.1%増の4億05百万円、経常利益が同14.4%増の4億37百万円、純利益が同2.8倍の2億76百万円、配当予想が前期と同額の年間24円(期末一括)としている。
金融機関や官公庁の案件を中心に、ソフトウェア開発の需要が拡大する見通しだ。利益面では前期の一部案件の作業超過発生の影響が一巡し、純利益は前期計上の特別損失(ソフトウェアの減損および投資不動産の減損)一巡も寄与する。
通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が22.4%、営業利益が17.8%、経常利益が18.5%、純利益が18.1%と低水準だが、第2四半期(1月~3月)および第4四半期(7月~9月)の構成比が高い収益構造であり、特にネガティブ要因とはならないだろう。通期ベースでの好業績が期待される。
株価の動きを見ると、1月の昨年来高値845円から一旦反落し、2月9日に776円まで調整する場面があったが、19日には800円台を回復して切り返しの動きを強めている。第1四半期の営業減益に対する反応は限定的のようだ。
2月19日の終値800円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS72円13銭で算出)は11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は3.0%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS869円73銭で算出)は0.9倍近辺である。
週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。そして下値を切り上げる動きだ。戻り歩調の流れに変化はなく、今期増収増益見通しを再評価して1月高値を試す展開だろう。3%近辺の高配当利回りも評価材料だ。