- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- 【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ピックルスコーポレーションは15年2月期業績減額修正に対する売りが一巡して切り返す
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ピックルスコーポレーションは15年2月期業績減額修正に対する売りが一巡して切り返す
- 2015/2/20 07:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
漬物やキムチ製品の最大手ピックルスコーポレーション<2925>(JQS)の株価は、1月26日発表の今期(15年2月期)業績見通し減額修正を嫌気する場面があったが、目先的な売りが一巡して切り返す動きだ。中期成長力を評価して14年12月高値を目指す展開だろう。期末配当予想の増額修正も評価材料だ。
漬物・浅漬・キムチなど漬物製品の最大手メーカーで、主力の「ご飯がススムキムチ」シリーズのブランド力が大幅に向上して収益力が高まっている。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・コンビニエンスストアが主要取引先であり、ブランド力の向上、新製品の積極投入、成長市場である惣菜製品の強化などを推進している。
事業エリア拡大や供給能力増強に向けた動きも加速し、中・四国エリアでは広島新工場(ピックルスコーポレーション関西)、北海道エリアでは札幌新工場(ピックルスコーポレーション札幌)が稼動している。
なお14年11月実施のTOB(株式公開買付)による自己株式取得によって、第1位株主の東海漬物の保有割合が27.20%に低下して親会社に該当しないこととなった。親会社の経営戦略の影響を受けずに、当社独自の経営判断で企業価値向上を図ることのできる体制を構築する方針だ。
1月26日に今期(15年2月期)連結業績見通しの減額修正と配当予想の増額修正を発表した。連結業績は前回予想(4月15日公表)に対して、売上高を7億50百万円減額して前期比3.3%増の265億50百万円、営業利益を80百万円減額して同23.2%増の10億50百万円、経常利益を1億30百万円減額して同12.8%増の10億95百万円、そして純利益を2億48百万円減額して同19.4%減の4億90百万円とした。配当予想については期末3円増額して年間15円(期末一括)とした。前期との比較では3円増配となる。
売上高が計画を若干下回る見込みとなり、営業利益と経常利益も減額修正した。ただし営業利益、経常利益とも増益を確保する。純利益については、子会社ピックルスコーポレーション札幌の旧工場の固定資産減損損失1億32百万円計上も影響して減益見通しとなった。
キムチ製品や惣菜製品のブランド力向上、全国の製造・販売拠点を活用した営業活動、積極的な広告宣伝・販売促進活動、新製品開発・投入や他の食品メーカーとのコラボレーションなどの効果で、既存取引先への拡販や新規取引先の開拓が進み、さらに事業エリア拡大と供給能力増強、契約栽培拡大などによる原料野菜の安定調達、原材料購買方法の見直しなどの戦略も着実に推進している。
今期業績見通しは減額修正となったが、来期(16年2月期)は天候不順による原料野菜価格高騰の影響が一巡し、子会社の固定資産減損損失という一過性要因も一巡して好業績が期待される。中期的にも収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、急伸した14年12月高値1194円から反落し、1月26日の今期業績見通し減額修正も嫌気して、2月2日と3日に950円まで調整した。ただし足元では切り返しの動きを強めて2月19日には1020円まで戻した。目先的な売りが一巡して中期成長力を見直す動きだろう。
2月19日の終値1018円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS76円63銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1146円90銭で算出)は0.9倍近辺である。
日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復する動きだ。また週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から切り返しの動きを強めている。サポートラインを確認した形だ。中期成長力を評価して14年12月高値を目指す展開だろう。期末配当予想の増額修正も評価材料だ。