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クリナップは低PBR見直し、18年3月期1Q減益だが通期は2桁営業増益予想
- 2017/9/7 07:55
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
クリナップ<7955>(東1)はシステムキッチンの大手で、システムバスルームも展開している。18年3月期第1四半期は減益だったが、通期は原価低減効果も寄与して2桁営業増益予想である。株価は戻り高値圏でモミ合い展開だが、0.6倍近辺の低PBRも見直して上放れが期待される。
■システムキッチンの大手でシステムバスルームも展開
システムキッチンの大手である。厨房部門(システムキッチン)を主力として、浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)も展開している。なお収益は新設住宅着工件数やリフォーム需要の影響を受けやすい特性がある。
17年3月期の部門別売上高構成比は厨房部門79%、浴槽・洗面部門16%、その他5%、販売ルート別売上高構成比(単体ベース)は一般ルート(工務店・リフォーム)79%、ハウスメーカー16%、直需(マンション)5%だった。
中期経営計画では「ザ・キッチンカンパニー」の確立を目指し、重点施策として中高級品の販売強化、リフォーム市場で競争優位となる商品の開発、ショールームを核とした販売戦略の推進、サプライチェーン全体での原価低減活動の強化、設備投資およびコストの最適化などを推進している。
■18年3月期1Q減益だが通期は2桁営業増益予想
今期(18年3月期)第1四半期(4~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.6%減収で、営業利益が25.5%減益、経常利益が13.2%減益、純利益が33.7%減益だった。リフォーム需要が低調で減収減益だった。
通期の連結業績予想(5月9日公表)は売上高が前期(17年3月期)比2.1%増の1160億円、営業利益が15.6%増の23億円、経常利益が17.0%増の21億円、純利益が0.8%増の13億50百万円としている。
会員登録制組織「水まわり工房」加盟店や流通パートナーと連携してリフォーム需要を喚起し、流レールシンクを標準装備したシステムキッチン「S.S.」「クリンレディ」などの中高級品を中心に拡販を強化する。第1四半期は減益だったが、原価低減効果や業務効率化も寄与して2桁営業増益予想である。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高22.9%、営業利益16.8%、経常利益21.0%、純利益13.5%である。やや低水準の形だが、通期ベースでは好業績を期待したい。
■株価はモミ合いだが低PBRを見直し
株価は戻り高値圏850円~900円近辺でモミ合う形だ。やや上値の重い展開だが、調整一巡感を強めている。
9月6日の終値862円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS36円89銭で算出)は23~24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.3%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1437円82銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約323億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線が下値を支える形だ。0.6倍近辺の低PBRも見直して上放れが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)